おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
セールスにおける商品知識は、セリングポイントを補強し、セリングポイントに真実味を付加するものです。
セールス技術が同じなら、売れる売れないを左右するのは、商品知識の質と量です。特に、専門性の高い商品はそうです。
では、専門性の高い商品や高額商品を売ることができる、真の商品知識とはどんなものなのでしょうか?
歴史
商品知識として知っておくべきことの第一は歴史です。
あなたは自分の商品の歴史を知っていますか? いつ誕生して、どのように変化、進化してきたか、知っていますか?
商品の歴史を知ることは、商品を極めるもっとも近道です。なぜなら、歴史は繰り返すといわれるとおり、商品の進化には一定の法則があります。その法則がわかれば、ある程度未来を見通せるからです。
たとえば、パソコンは「マイコンキット」で始まりました。最初は自分で作るものだったのです。
その後、初めから組み立てられているものが主流になりましたが、パソコンの進化が緩やかになると、また再び、自作と言う、自分で作るパソコンが市場に登場しました。
知っておくべきなのは、商品の歴史だけではありません。商品には必ず作り手がいます。作り手の歴史も知っておくべきです。
作り手の歴史を調べると、どんな企業にも波乱万丈な物語があります。特に、開発秘話なんてプロジェクトXのようで面白いです。
人間は、苦労して成功した物語が大好きなのです。こうした物語を使えば、お客様をセールストークに引き込むのもカンタンです。
ちなみに私は、昔、アップルや、ソフトバンクについて書いていますが、これらの知識も、セールストークに深みを持たせるために調べたものです。
では、歴史を知るにはどうしたらいいでしょうか?
2つ方法があります。
1.本を読む
書店であなたの業界について書かれた本を探して読みましょう。こうした本を10冊読みましょう。
書店で見つからない場合は、業界団体に問い合わせてみてください。そうした組織がまとめた資料があるはずです。商工会議所が持っていることもあります。
あなたはこうした団体使っています?結構役に立ちますよ?
2.直接聞く
私は本を読みましたが、あなたに薦めるのはこちらです。パソコン業界の場合、中心プレイヤーは米国企業です。だから、本を読むしかなかったのです。
取引先が国内の企業なら、直接聞くのが一番カンタンです。
まともな企業の営業マンなら、「歴史」を叩き込まれているはずです。めったに使うことはないらしいですが。
セールスに役立つ知識が無料で手に入るのですから、遠慮なく頂いておきましょう。
仕組み
高額商品を売ることができて、セールスの成約率を高めることができる、真の商品知識の二つ目は「仕組み」です。
あなたは、自分の商品がどんな仕組みでお客様の役に立つのか、知っていますか?
たとえば、「なぜ、テレビが映るのか?」なんて、普通の人は知らないし、興味もないでしょう。
しかし、商品の専門家であるあなたが知らないのは問題です。それでは、お客様から専門家として認知されません。専門家として認知されないセールスマンは哀れです。売れないか、安く買い叩かれてしまいます。
もし、あなたの店が、安くしないと売れないのなら、原因は次の2つです。
- 価格以外の商品選択の基準をあなたの店が教えていない。
- お客様があなたを専門家として認めていない。
この2つのどちらも解決しないで、「安くしなきゃお客様は買わない」なんて、よくもまあ言えると思うのです。私もあまり偉そうなことは言えませんが。三流セールスマンの頃は、「ステップの方が安いから売れない!」なんて言っていましたからね。
昔、みのもんたがテレビで特定の食材を取り上げると、急速に売上を伸ばすことがありました。食材が持つ健康効果を紹介したからです。
私が疑問に思うのは、そうした健康効果、店は知らなかったのか?と言うことです。
店が知らないのなら、お客様が専門家と認めないのは当然ですよね。教えてくれたのは店じゃないのだから。
その上、せっかく健康効果という選択基準があるのに、お客様に伝えてないわけです。それじゃあ、お客様が安いものしか買わないのも当然です。
「仕組み」を知っておく理由はわかりましたか?
あなたが商品知識として知るべきことは「あなたの商品は、どのような仕組みでお客様の役に立つのか?」です。
言うまでもないともいますが、調べるのはカンタンです。取引先に聞けばいいのです。
部品
高額商品を売ることができて、セールスの成約率を高めることができる、真の商品知識の三番目は部品です。
あなたは、自分の商品がどんな部品で作られているか、知っていますか?
商品によっては、部品と言うより、素材と言った方がわかりやすいでしょうか。
もちろん、お客様はそんなものに興味はありません。たぶん、仕組みなんかより、はるかに興味はないでしょうね。
テレビは映ればいい、パソコンはネットに繋がればいい、携帯電話は通話とメールが出来ればいい。
だったら、どれを買ってもいいわけでしょ?
「どれを買っても同じ」なら安いものを買いますよね。
しかし、「どれも同じです」なんて台詞、セールスマンが絶対に口にしてはいけない言葉です。私の先輩は、こう言って上司に殴られたことがあるそうです。
では、どうするか?
商品を、部品レベル、素材レベルまで突き詰めることです。
- この商品はどんな部品・素材を使っているのか?
- その部品はどんな役割があるのか?
- どうしてその部品・素材を使っているのか?
- その部品・素材を作っているのはどんな企業なのか?
私は低価格を売り物にしている某メーカーのパソコンの中身を見たことがあります。
ちなみに、パソコンオタクの私は、新商品が入荷するとまずは蓋を開けて中身を見るのが習慣でした。私がいた店はパーツも扱っていたので、中を見るといろいろわかるのです。
そのパソコン、電源が日本製でした。安いパソコンの多くは中国製の電源を使います。圧倒的に安いですからね。だから、ちょっと疑問に思って聞いてみました。
すると、「日本製の電源は高品質な上に壊れない。壊れなければサポートにかかるコストが安く済む。だから、日本製なのだ」とのことでした。
ちなみに今は中国製の電源の方が壊れにくいです。
やたら低価格を売り物にするメーカーでしたが、この件でちょっと好きになりました。
商品を部品、素材まで突き詰めると、作り手のこだわりや、セールストークで使えそうなドラマが見えてきます。
逆に言うと、成熟期の商品は、ここまでやらないと違いって出てこないと言うことです。
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