「言っても部下が動かない」と言う不満を持っている店長は、やれと言うだけで、やり方を教えてないのです。
私も店長になったばかりの頃、部下に対して「指示された仕事しかしない」と言う不満を持っていました。それをお得意さんの社長に相談したところ、次のように言われました。
社長「なぜ、指示された仕事しかしないんだと思う?」
私「自分で仕事を見つけようとしないからだと思います」
社長「では、なぜ、自分で仕事を見つけようとしないのだと思う?」
私「見つける気がないからだと思います」
社長「ちょっと待て!やる気がないといったら、人を変えるしか方法はなくなる。それは最後の手段だ。その前に、仕事の見つけ方は教えたのか?」
私「いいえ」
社長「なぜ教えないのだ?」
私「常識だと思うからです」
社長「常識と言うなら、見つけ方を言ってみろ!」
私は答えることができませんでした。実は、私自身も「どうやって仕事を見つけるか」について、よく考えたことはなかったのです。そこで、自分が仕事を見つける方法を、客観的に観察して整理したのが、前回、一部を紹介した「自分で仕事を見つける方法」です。
実は、私たちが部下に「やれ」と指示していることの中には、指示している店長でさえ「やり方」をわかっていないことがあるのです。もちろん、ほとんどの部下よりはキャリアがありますので、「やる」ことはできます。でも、「方法」を口で説明できるのは極めて稀なことです。
店長は、「やれ」と言うからには、「やり方」を準備しておく必要があるのです。そのためには、次の手順を実践してみてください。
- 手順を観察、分析して、マニュアル化する。自分ができることなら自分の考え方・行動を、そうでなければ、できる人の手順を参考にする。
- 口で教える場合は、20~30秒以内で説明できるように文章化する。
- 印刷したマニュアルにする場合は、1ページ以内に収める。それを越えると途端に読まれなくなるため。
この手順でマニュアルを作り、繰り返し口で指示します。
印刷したマニュアルを渡して終わりにしてはいけません。マニュアルを読む奴は少ないし、読んでも覚える奴はさらに少ないからです。
1ヶ月、ことあるごとに繰り返して、やっと動き始めるのが普通です。そこまでやっても動かない奴は他の仕事を勧めてあげましょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
末文
他の仕事を薦めてあげましょうとは、配置転換ですか?それとも…
前スレで。後ろめたさを感じる必要性は無い、でしたね
大きな会社なら配置転換もアリだと思います。
売場では「指示された仕事をきっちりやる」だけのヤツは使いにくいですが、部署によってはこのタイプを必要としているかもしれませんからね。