おはようございます、小宮です。
POSデータで何でもわかると思ったら大間違いです。
POSデータを無視しろというのではありませんよ。わかること、わからないことを理解した上で使うべきだと言いたいのです。
あなたは、POSデータで何がわかり、何がわからないのか、理解していますか?
自分の店にPOSシステムが入ったときは「コレでいろいろなことがわかるようになる」と思いました。
私の売場にはPCがあり、データベースソフトがあります。データの分析や加工が自分のPCでできるのです。POSデータをパソコンで使えるように(こっそり)変換してもらって活用していました。
しかし、程なくわかりました。POSでわかることなどたかが知れているのです。
たとえば、POSデータを見るだけでは次の情報はわかりません。
- 販売数がゼロの理由が「欠品」と知ることはできません。
- 販売数ゼロの理由が「類似の商品の特売」と知ることはできません。
- 販売数10と100では、100の方が多いことはわかりますが、それぞれの商品がどれくらいの店頭在庫を持ち、どれくらいのボリュームで展開しているかを知ることはできません。
POSデータにはどのような状況で売れた数字なのかを表す情報は一切無いのです。こんな中途半端な情報を鵜呑みにしてはいけません。
POSデータだけで行動するのが如何に危ないかは私自身が経験しています。
私はPOSデータをABC分析し、Cランクの商品を売場から排除したことがあります。イトーヨーカ堂の「業革」の影響を受けていたのです。
で、どうなったと思います?
売上は上がるどころか、ボロボロになりました。
品揃えのバランスがメチャメチャになってしまったからです。品揃えのバランスが崩れたことで、お客は選びにくくなり、店員は売りにくくなってしまったんですね。
商品はそれぞれが影響し合って存在していますが、どのような要素でどうなるかについては現代科学でもわかってないのです。
現代科学でもわかってないことに私たちは挑戦しているわけです。まあ、ココが店作りの醍醐味であり、おもしろいトコなんですね。
品揃えについて一つだけ確かなことは、「すべての商品が同じように売れることはあり得ない」と言うことです。
商品には、ダントツに売れる商品、そこそこしか売れないけど欠かせない商品、滅多に売れないけど他を引き立てる商品など、それぞれに役割があります。
商品それぞれの個性を理解して、それにふさわしい役割を与え、演出を施すことが私たちの仕事と言えるでしょう。
そのためには、何がわからないことを理解した上でPOSデータを活用しましょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
久々のコメントです。我が店舗にはPOSシステムはありませんが、このシステムはいかに利用するのですか?
ある小売店の店長さん、毎度どうも。
POSデータは「変化を見る」のと「仮説の検証」に使うモノです。
もっとも、変化を見るのは売上に変動があったときですから、普段は仮説の検証に使うことの方が多いでしょうね。