2020年5月14日、39県で、特措法に基づく、新型コロナの非常事態宣言が解除されました。それに伴って休業要請も解除された店舗もあります。
もしかしたら、あなたの店も営業を再開しているかもしれませんね。
さて、営業を再開した店は土日を挟みました。お客様の入りはいかがでしょうか?
特に顧客の動きはどうでしょうか? 顧客は来店していますか?
なお、ここで言う顧客とは、顔なじみだけど、買うのが特売品だけと言うお客様ではなく、また、話し好きだけど、めったに買い物をしないお客様のことでもありません。店で売上上位を占めるお客様のことです。
ところであなたの店、顧客の誰がいくら買っているかわかりますか? これをわからずに商売をするなんて、頭がおかしいと私は思います。
とは言え、万が一、顧客がいくら買っているかわからなくても、大雑把でよければ知る方法はあります。
コロナ前とコロナ後の売上の差が顧客の売上です。
たぶん、ほとんどの店はコロナ後で大きく売上を落とすはずです。なぜなら、人は環境に影響される生き物だからです。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
コロナが去れば顧客は再び店に来るのか?
ほとんどの店が顧客を失うと、私は考えます。その理由は3つあります。
- 人は忘れるから
- 人は飽きるから
- 人は楽をしたいから
人は忘れるから
コロナ渦でほとんどの店が顧客を失う理由の一つ目は、人は忘れるからです。
コロナ後に売れる店は、今まで営業していた店くらいだと思います。
「なるほど!お客様に感謝されているからね」
いいえ。確かに「コロナの危険があるのに営業してくれてありがとう」くらいは言われるかもしれません。
しかし、お客様が来るのは感謝のお返しではありません。店に来るのが習慣だからです。つまり、店を忘れていないからお客様は来るのです。
ところが、休業していた店はどうでしょうか? あなたの店はお客様が店に行きたくてうずうずするような店ですか?
もし、そのような店ならコロナが終わったら顧客は帰ってくるでしょう。
ただ、どんなに素晴らしい顧客体験を提供していたとしても、1ヶ月も行かなかったら忘れてしまってもおかしくないです。
たとえば、あなたは顧客に忘れられないために何をしていますか?
電話でご機嫌伺いをしていますか? ファックスレターを送っていますか? それともメールを送っていますか?
もし、あなたの店が何もしていないなら、顧客に忘れられても不思議ではありません。
ほとんどの店はこのような当たり前のことさえやっていないです。したがって、ほとんどの店が顧客を失うと言えるのです。
人は飽きるから
コロナ渦でほとんどの店が顧客を失う理由の二つ目は、人は飽きるからです。
人は環境が変わると、習慣が変わります。習慣が変わると、考え方が変わります。そして考え方が変わると、好みが変わります。つまり、今まで好きだったものに飽きたり、興味がなかったものを好きになったりするわけです。
たとえば、晩酌の酒の量が増えたとか、歩かないので体重が増えたとか、人と会えないことがストレスになるとか、逆に、人と会わないことでストレスがなくなるとか。
あるいは、テレワークには合う人と合わない人がいます。部下をサボらせないことが管理者の仕事だと思っている人は会議を増やして、部下の仕事の時間を削って足を引っ張ったりします。
このような環境の変化で人はカンタンに変わります。しかも、今回の変化は、日本に住む人全員が強制されたものです。あなたも何か変化を感じているはずです。それも当然です。命の危険にさらされた――と思っている人が多い――のですから。
このような変化が、私たちの顧客に与えた影響は計り知れないでしょう。
顧客が私たちの商品に飽きてしまったかもしれません。そうなると確実に一人顧客を失います。あるいは、自粛中に顧客のレベルが上がり、私たちの店の品揃えに飽きてしまうかもしれないです。それでも顧客を一人失います。
あなたの店の顧客は、変わらずに店を愛してくれるでしょうか?
人は楽をしたいから
コロナ渦でほとんどの店が顧客を失う理由の最後は、人は楽をしたいからです。多くの人がインターネット通販の便利さに気づいてしまいました。
いつでも買える
店は営業時間内に行かないと買うことができません。しかし、インターネット通販は24時間、いつでも好きなときに注文できます。置き配を指定すれば配達人と触れ合うこともありません。
価格の比較がカンタン
価格の比較もカンタンです。リアル店舗の場合、「価格は店頭でお確かめください」という店が多いです。これはライバル店の価格調査対策ですが、私たちの顧客からしたらいい迷惑です。
一方、インターネット通販なら他店の価格を調べるのはカンタンです。クリックするだけ、あるいはタップするだけでいいのですから。
品切れがわかる
リアル店舗で買い物をする際、「当然在庫がある」と思った商品が品切れしていたときの徒労感は半端ではありません。一方、インターネット通販は品切れはスグにわかります。したがって、品切れで時間をムダにすることもありません。
レジ待ちがない
リアル店舗の場合、お客様が一番ストレスを感じるのがレジ待ちです。特に売れている店はレジで待たされるのが普通です。一方、インターネット通販にはレジ待ちは存在しません。
レジ待ちは顧客体験を損ねる元凶だと米国の小売店は考えています。だから、無人店舗ではなく、レジなしなのです。
考えが甘い
このような体験に慣れた顧客が「コロナが終息したらまた店に来る」とは、考えが甘いと言わざるを得ないでしょう。
顧客が減っていたら――
コロナ明けでどのくらい顧客が戻ってきているか、ぜひ、チェックしてみてください。
もし、減っていたら、新しいお客様を集める、のではなく、顧客を呼び戻すことを第一にしてください。なぜなら、その方が7倍、安上がりだからです。
なお、顧客に再び店に来てもらうには、顧客体験の質を高めるか、顧客とマメにコンタクトを取るかしかないでしょう。
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