おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
“某小売店店長”さんから「売上が悪い店を小宮さんが店長ならどうやって立て直します?」という問い合わせを頂きました。
私の仕事の種明かしになってしまいますが、面白いネタなので答えることにしました。
顧客リストを探す
私が売上不振店を任されたら最初に顧客リストを探します。個人情報保護法を勘違いしてない限り、顧客リストはなくても何かしら連絡先は残っているものだからです。
その顧客リストに店で一番高い商品を売り込んでみます。住所がわかるなら訪問で、電話番号がわかるなら電話で、売り込んでもらいます。
台本は私が作ります。それで練習してもらいます。
住所がわかる場合はダイレクトメールも送ります。オファー(インセンティブ)が強ければダイレクトメールだけで売上は上がります。費用対効果は訪問や電話よりはるかに高いです。
え? それなのに、なぜ、訪問や電話をやるのかって?
それはほとんどの場合、私がダイレクトメールを書くからです。つまり、スタッフからしたら何もしなくても売上が上がったことになります。
私へのミッションが集客代行ならそれでもいいかもしれません。しかし、多くの場合、自分の力で集客と売上アップを果たしたいはずです。
したがって、たとえ費用が掛かっても自分たちで売上を作ったという実感が必要です。それが成功体験となり、自信となります。そして人は一度成功を味わうと、また、味わいたくなるモノです。それが学ぶ意欲に繋がるでしょう。
もし、個人情報保護法を勘違いしていたら、顧客の連絡先情報はすべて破棄しているでしょう。こういう店、少なくありません。
この場合は顧客リストを作るのは後回しです。
なお、顧客リストを作らないという選択はあり得ないです。
単品管理しているか?
顧客リストがない場合は、単品管理が行なわれているかを調べます。単品管理ができていないと売上アップに必要な情報がまったくないと言うことです。
それでは何もできません。
この場合は、何がいくつ売れているのかを知ることから始める必要があります。
50%
単品管理しているなら、次に、売上データを分析します。そして、売上上位10%の商品が売上の何パーセントを占めているかを調べます。
ココで鍵になる数字は50%です。50%以上で、かつ、今売場にお客様がいるなら、買上点数、商品単価、買上率のアップで売上を上げることができます。
50%未満の場合は、店作りの基本ができていません。なぜなら、基本ができていたら売上は自然に売れる商品に集中するからです。
お客様がいない
売場に一人もお客様がいないなら、お客様を連れて来なければなりません。
お客様を連れて来るにはお金が掛かります。広告費はゼロでできるかもしれません。
たとえば、スタッフでチラシを配れば――あくまでも見かけ上ですが――出費はありません。また、チラシではなく声で伝えればチラシを作る必要もありません。
それでも、お客様に店に来てもらうには見返りが必要です。なぜなら、集客とはお願いだからです。人様に何かお願いするには見返りが必要なのです。見返りとはお客様が得をすることです。
見返りの代表がロスリーダーです。
ただ、ロスリーダーを何にするかはお客様のニーズ・ウォンツを知らないと難しいです。そもそもお客様のニーズ・ウォンツがわかっていたら売れないはずがないのですから。
だから、割引券を推奨しているのです。
お客様に来てもらうには、店の近くにいる人に割引券を配るのがもっともカンタンです。カンタンな理由は、割引券はオペレーションがカンタンだからです。マネージメントレベルが低くても運用できるのでお勧めです。
最悪のケース(ただし、よくある)
割引券を配ってもお客様が増えないことがあります。
その場合、問題は明らかです。店がお客様に嫌われているのです。
もし、そうなら来店客を増やすのは一時ストップです。なぜなら、嫌われるのは今の店の有り様だからです。
このままお客様を増やしても、店を嫌いになる人を増やすだけです。お客様を増やす前に、まずは、嫌われない店にしましょう。
そのために必要なのは、接客マナー研修なんかではなく、店作りの基本を徹底することです。
店作りの基本にはいろいろありますが、まずは売上に直結する8つの基本を徹底してください。
「8つの基本って何?」と言う人は四の五の言わずこちらを買ってください。知らないと話にならないので。
↓
「売れる店作りのために最低限やるべき8つのこと」
基本の徹底が先なのでは?
そう思ったあなたは賢明な方です。確かにその通りです。
しかし、基本の徹底は地味な仕事です。仮説検証のサイクルを回すことができないので、達成感が得られないのです。
その点、販促活動は良くも悪くも結果が出ます。ロスリーダーや割引券を使っても結果が出なければ、残るのはコレだけです。
地味な仕事をやるか、それとも倒産への道を選ぶか?
倒産よりは地味な仕事の方がましです。
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