売上アップと言うと、マーケティングとか、店の場合だとマーチャンダイジングとか、とかく難しい話になってしまいがちです。
私は研修で次のような手法を学びました。
まず、ライバルを徹底的に分析します。客観的に比較できるようにできるだけ評価を数値化します。
その数値を元に、自分の店とライバルを比較し、強み弱みなどの力関係を把握します。
そして、強みを強化するか、弱みを改善するか、などの方針を決め、そこから具体的なアイデアを出していくと言う手順です。
ぶっちゃけ、これ、ゲーム感覚でできるので面白いです。どんな研修でも、学んだことを実践してみる演習があるんですが、この演習ははっきり言って楽しかったです。私がもともとデータが好きなのと、全部頭の中だけでできるので楽なんですよね。私は100回以上セミナーや研修を受けていますが、演習が面白いと感じた数少ないノウハウです。
しかし、現実の売上アップと言うのはもっと泥臭いものです。今紹介した方法を文科系的な手法としたら、現場で役に立つ、本当の売上アップの方法は、体育会系的な手法と言ってもいいかもしれません。
体育会系の人に怒られそうですが、現場で役に立つ売上アップノウハウとは、誰でも知っているカンタンなことなんですが、粘り強く、繰り返し実践しなければならないものです。
たとえば、営業や販売経験のない人が店を持ったとしましょう。趣味を生かしたアパレル系の店です。
「いい場所に店を作り、いい商品を揃えたらお客は来る」
あなたは信じられないと思いますが、営業や販売経験のない人の中には、本気で、かつ、真面目に、こう考えている人がいるのです。
あなたは、「店なんて要は立地さ」と語っている人を見たことはありませんか?
自称ネットビジネス専門家のサイトでよく書いているのを見かけます。あなたはこれを見てどう思いますか?
「この素人が!!」とムッとしませんか?
私はムッとしました。
立地が良くて売れるなら、JR秋葉原駅前の店が苦戦するはずがありません。あの駅前からどれだけの店が消えたことか・・・。この事実だけ見ても、「立地が良ければ売れる」なんてことはないのです。
専門家がこんなぬるいことを言って大きな顔をしているのなら、ネットビジネスはなんてぬるい業界なのだと思います。まあ、正直言って、まだまだやさしい業界だとは思いますけどね。
たとえば、検索エンジンの広告がありますが、私がやるなら、人を雇ってライバルの広告をクリックさせまくります。ライバルを撤退させるためです。
出店した大手の電気屋が、安売りをして近隣の小さな店を潰してしまうのと一緒の理屈です。小さな店のほとんどは大した努力はしていません。だから、放っておいてもそのうち潰れるんですが、引導は早いうちに渡した方が親切というものです。
さて、営業や販売経験のない人が店を出してもお客は来ません。さて、このあと彼はどうするでしょうか?
考えることはみな一緒です。「チラシを配る」です。
では、この「チラシを配る」のは誰も知らない秘密のノウハウでしょうか?
そんなことありませんよね。素人だって知っています。そして重要なのは、チラシの作り方を勉強することではなくて、チラシを出すことです。セールスを座学では学べないように、チラシ作りだってそうなんですからね。
チラシ作りにはセオリーがあります。では、セオリーに従っていればいいチラシになるかと言うと、それは別な話です。このあたりは、数をこなして、反応を見ながら積み重ねていくしかないんですよね。
今回は、カンタンに実践できる売上アップ法を2つ紹介しておきます。この方法を見て、もしかしたら怒る人もいるかもしれません。「人をバカにするのもいい加減にしろ!」と過去に言われたこともあります。
しかし、私は極めて真面目に書いています。なぜなら、この2つが売れない原因だったなんてコトが日常茶飯事だからです。でも、この2つ、基本中の基本なんですよね。
1.値札を付ける
「動きが悪いんで取り扱いをやめました」
でも、売場を見ると「値札が付いてなかった」なんてこと珍しくありません。
売り手は、お客に最低限伝えなければいけないことがあります。
それは、「どんな商品」で、「いくら」なのかです。
店の場合、商品を陳列するので「どんな」については問題ありません。だから、「いくら」なのかだけを伝えればいいです。でも、それさえできてない店は決して少なくありません。
この文章を書くのに、近所の3つのスーパーを見てきましたが、やはり値札のない商品がありました。
値札がなければその商品は扱ってないのと一緒です。
2.陳列する
これは1よりもひどい例です。バックヤードやストックスペースに保管されたまま、商品が陳列されていないことがあります。
これこそ、扱ってないのと一緒です。
実は、この2つは、POSシステムの入っている店ほど問題が起こりがちです。
なぜなら、販売状況や在庫状況を画面上で見ることができ、発注も画面上で見ていると、現実の商品を見ることが少なくなるからです。何しろ、現実の商品を見ながらでは面倒ですからね。
でも、商売はPOSシステムの中で動いているのではありません。売場で、現実の人間が動かしているのです。
まずは、自分の目で商品を、売場を見るべきです。その方が見えてくるものがたくさんあります。
私が不振店舗を立て直したときに使った方法は「見ること」ですが、その具体的な方法は次回。
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