今回は、お客様の連絡先を知る方法を紹介するはずでしたが、「Sさんは確かにすごいと思いますが、派遣やパート、アルバイトばかりのスタッフにそこまで期待できないし、要求もできないと思います。」というメールを頂いたのでちょっと念のため。
この話の流れでSさんを出したのは誤解を招いたかもしれません。ですので、「連絡先を知るだけでも売上のプラスになる」と言うことを紹介しておきます。
「困ったらお得意さんに売れ」は商売の鉄則ですが、そのためには、最低限、誰がお得意さんなのかを知っている必要があります。
あなたは誰がお得意さんか知っていますか?
知らないなら大変です。あなたの店は、年に1~2回しか買い物をしないお客様と、毎月買い物をしてくれるお客様を同じに扱っていることになります。
1年で1万円しか買わないお客様と50万円買うお客様が同じ扱いでいいのでしょうか?
「お客様を区別してはいけない」と言うのがあなたの信念なら構いません。そのまま商売を続けてください。
ただ、私は、お客様を差別するのはいけないとは思いますが、区別はするべきだと思います。
何も、1万円しか買わないお客様を適当にあしらえと言うのではありません。50万円買うお客様には、それに見合った、もっと質の高いサービスをするべきだと言いたいのです。
ちなみに、金額を例にしましたが、お客様の店に対する期待度は、購入金額よりも購入回数の多い人の方がより高くなります。年に1回100万円買う人よりも、毎月1万円買う人のほうが「俺はお得意さんだ」と言う意識はより高くなるものです。ここを間違えるとクレームになりますから注意しましょう。
さて、この問題を解決する一番カンタンな方法がポイントカードです。スタンプカードでも十分です。多く買う人が得をするという意味で、一番わかりやすいシステムです。ていうか、これくらいやらないでどうする?てなもんです。
「困ったらお得意さんに売れ!」を意味あるものにするには、お得さんが誰かを知っているだけでは十分ではありません。なおかつ、連絡先を知っている必要があります。お客様の連絡先がわかれば、お客様が来るのを待っているだけではなくて、こちらから売り込めるわけです。販路が広がりますから、売上が増えないわけがないですよね。
ところで、「連絡先がわかっても、どう使えばいいかわからない」とよく聞きます。たぶんそれは考えすぎだと思います。お得意さんが買いそうな商品を、今だけしか買えない価値(注:価格ではありませんよ!)で紹介すればいいのです。紹介する方法は、ハガキでも、手紙でも、メールでもいいです。近所ならポスティングしてもいいでしょう。
お得意さんにダイレクトメールを送れば確実に売上が上がります。やらないのはもったいなさ過ぎます。
私が最初に就職した会社は秋葉原の中堅の家電量販店ですが、この店は商戦時期にダイレクトメールを送ることで売上を作っていました。この店が行っていた唯一の広告宣伝でした。戦後すぐ創業のこの店には膨大な顧客リストがあり、数十万件のダイレクトメールを発送していました。
もちろん、製作や発送には高額な費用がかかるんですが、回収できるだけの売上は上がっていました。あまり意味のない数字ではありますが、いわゆるヒット率は7%ありました。
しかも、ダイレクトメールと言っても、中身はただのチラシです。あとでダイレクトメール作りは学びましたが、その知識からしても非常に低レベルなダイレクトメールですが、それでもお客様を呼ぶことができ、売上を作ることができたわけです。
ちなみにこの店、ボーナスの査定に、売上ノルマの達成率は当然ですが、もう一つ、アフターサービスカードを獲得した数も評価の対象になりました。アフターサービスカードとは、お客様の名前、住所、電話番号、買った商品の履歴を記録する用紙なのですが、お客様が買わなくても、連絡先を入手できれば成績になりました。
言うまでもないことですが、お客様の連絡先を入手すればいくらでも商売のやりようがあるわけです。繰り返しますが、私がいた会社が送っていたダイレクトメールは、要はチラシを送っていただけなのです。そんな稚拙なダイレクトメールでも、7%のヒット率があり、高額なダイレクトメールの制作費、発送費を回収できるだけの売上が上がるんです。
ましてや今はもっとローコストな連絡手段があります。20年前ならこの話をしても「それは単価の高い電気屋だからだよ」で済まされたでしょう。今はそんなこと言う奴はいないはずです。
ベスト電器がダイレクトメールの費用を節約するために、障害者団体の名前で発送すると言う不正をやらかしましたが、そこまでして送る理由は、ダイレクトメールを送れば売れるからなのです。
次回は、お客様の連絡先を知る方法を送りする予定ですが、いくつか興味深い質問を頂いているのでそちらをネタにするか、まあ、お楽しみに。
コメント