ある商品が売れていたとしても、それがお客様のニーズ・ウォンツを満たしているとは限りません。不満だけど他に代わる商品がないのかもしれません。あるいは、他に良い商品があるのをお客様が知らないのかもしれません。

おはようございます、店長養成講座の小宮秀一です。

たとえば、あなたがパソコンショップの店員だとします。若い男性客が来て「MacProが欲しいんだけど……」と声を掛けてきたとしましょう。

Macをご存じない方のために補足しておくと、Macはアップル社のパソコンで、MacProは一番高価なMacです。

このお客様のニーズ・ウォンツは何だと思いますか?

「何を当たり前のことを聞いているんだ!お客様はMacProが欲しいに決まっているじゃないか!!」

あなたはもちろん違いますが、こう思う人は少なくないです。こう思った人は商売のセンスがありません。それでも売れているとしたら運がいいだけです。お客様や市場が変わればあっという間に取り残されてしまうでしょう。

このお客様のニーズ・ウォンツは、「これだけではわからない」が正解です。

たとえば、彼はこんな感じで考えたのかもしれません。

  • 「パソコンがあると、俺の好きなアイドルのブログが見れるらしい」
  • 「ネットでいろいろ調べたり、商品を買ったりもできるらしい」
  • 「友達に聞いたらMacってのが使いやすいらしい」
  • 「安いものを買って失敗したくないから一番高いのを買おう」
  • 「MacProって奴らしい」

実はこれ、よくある話です。

もしかして、「本当かよ」って思います?

それは、プロのセールスマンを舐めすぎってもんです。接客販売を行うセールスマンなら、これくらいの情報を引き出すのはカンタンです。

だって、モダンセールスのセールストークは、説得するために使うのではなく、お客様が、自分でも気づいていない、本当のニーズ・ウォンツを引き出すために使うものだからです。

彼のニーズ・ウォンツは明らかですよね。「好きなアイドルのブログをパソコンで見たい」のがきっかけだったんですね。他は、ネット閲覧と通販です。

すると、MacProは彼には不釣合いです。

MacProは、クルマで言えばフェラーリです。彼がフェラーリファンなら誰も止める権利はありません。彼が熱狂的なアップルファンでも同じことが言えます。

しかし、彼はそうではありません。街中を移動する足として使うには、MacProは機能が豊富過ぎて、逆に、使い勝手が悪すぎます。

私なら、自己顕示意欲が弱そうならデスクトップ型で、初めてならiMacを、そうでなければMac miniを薦めます。自己顕示欲が強そうならMacBookで、初めてならAirを、そうでなければProを薦めるでしょう。

MacProより価格は下がりますが、使いこなせないパソコンを売って、途中で挫折されらた商売がそこで終わりです。今現在の売上が減っても、使いこなしてもらって、さらにパソコンに投資してもらった方が私たちには得なのです。

もちろん、Macを薦めるのは、友達にMacを持っている人がいると言う前提です。「Macが使いやすい」と言う友人は、Macオーナーである確率が高いですからね。もちろん、実際の接客では必ず確認します。

私たちは、商品を売っているので、お客様は商品を買っていると思い込みがちです。しかし、お客様は、商品によって満たされるニーズ・ウォンツを買っているのです。商品だけを見ていたら、本当のニーズ・ウォンツはわかりません。

本当のニーズ・ウォンツを知るには、お客様の声に、真摯に向き合うしかないです。

「お客様は商品を買っているのではない。ニーズ・ウォンツを満たすものを買っているのだ」と、私たちは肝に銘じておく必要があるでしょう。

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