来店客数を増やすより、客単価を上げるより、買上率を上げる方がリターンが大きいからです。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
私は、売上を作る方程式の一つとして次の式を紹介しています。
売上=来店客数×買上率×客単価
これは売上=客数×客単価を因数分解した式です。この式から言えるのは、売上を作るには3つの方法があると言うことです。
- 来店客数を増やす
- 買上率を上げる
- 客単価を上げる
この3つの方法のうち、難易度の低い順番に並べると次の通りです。
- 客単価を上げる
これがもっともカンタンです。なぜなら、商売は、買った人に売るのがもっともカンタンだからです。 - 買上率を上げる
次にカンタンなのがコレです。来店したけれど買わないお客様に買って頂くことです。 - 来店客数を増やす
これはお金が掛かります。なぜなら、来店して頂くためにはインセンティブが必要だからです。
私は新宿店の辞令を受けるとき、「半年以内に30%売上を上げろ。できなければクビ!」と言われましたが、この命令を3ヶ月で達成しました。
このような派手な結果が欲しい人は他にいませんか?
あなたもこのような派手な結果が欲しいなら、買上率を上げることをお勧めします。
派手な結果(売上)が欲しいなら買上率を上げなさい
その理由は……
たとえば、それぞれの数値を2%上げることを考えたとき、来店客数と客単価は2%しか増えません。しかし、買上率を2%上げると、買上率が100%でない限り、2%以上のリターンがあります。
実際に、買上率10%の店をモデルにシミュレーションしてみましょう。
来店客数、客単価、買上率を2%アップ
買上率10%の店を選んだ理由は、私がいたパソコン専門店の買上率が10%だったので、私的にリアリティがあること、それと結果が派手だからです。
まず、この店の基本データは次の通り――
基本データ
次のデータは、ある電気屋をモデルにした架空のデータです。
来店客数:130,000人/月
買上率:10%
買上客数:13,000人/月
客単価:12,000円
売上:156,000,000円/月
まずはこの店の客単価を2%アップさせてみましょう――
客単価を2%アップ
客単価:12,240円
来店客数と買上率が変わらなければ――
売上:159,120,000円/月
伸び率:2%
客単価を2%アップさせると、売上も2%アップです。
次に来店客数を2%アップさせてみましょう――
来店客数を2%アップ
来店客数:132,600人/月
客単価と買上率が変わらなければ――
売上:159,120,000円/月
伸び率:2%
来店客数と客単価は大して効果がない
来店客数と客単価を2%増やしても、売上も2%しか増えません。しかし、買上率は違います。買上率を2%アップさせると――
買上率を2%アップ
買上客数:15,600人/月
来店客数と客単価が変わらなければ――
売上:187,200,000円/月
伸び率:20%
2%が20%に
たった2%の努力が20%になって返ってくるのですから、これほどおいしい話はありませんよね?
2%が20%になるのは、買上率が10%の時です。釈迦に説法だと思いますが、買上率が100%だと伸び率も2%です。
2~3%の違いは統計では誤差の範囲と言われる数値です。そんな誤差の範囲の数値でコレだけのリターンがあるのですからやらなきゃ損でしょ!
私が新宿店で派手な結果を出せたのも買上率を意識したからです。
買上率を上げるには、ライバル店では売っていない、価値の高いモデルを用意して、希少性を煽りまくればいいです。
そこで私が企画したのが「当店だけのオリジナル(と言い張れる)モデル」でした。当時の人気機種の中からSONYの廉価版デスクトップPCを選び、内蔵CD-ROMドライブをDVD-ROMに換装したモデルを作りました。
このモデルが当たりました。売上規模で7倍違う、アキバ本店の販売台数を上回ったのです。どれほど凄いかというと「あり得ないくらい」凄いことです。
下見に来ていたお客様が「いつまで売れるかわからない」という店員の一言で買い、ヨドバシカメラで買うつもりで来た人が買いました。
もしかしたら、他の高額機種を買いに来た人が買ってしまったかもしれません。しかし、このモデルの粗利は20%。粗利5~10%の他社モデルを購入されるよりも儲かったので、私たちとしては文句はないです。
価格設定のコツ
これは完全に余談ですが……
価格は通常モデルより2万円ほど高くしました。
本当は1万円の価格差でもできました。しかし、1万円程度の違いでは「オリジナルモデルと気づかれないのでは?」と危惧したのです。
お客様は賢いのですが、売場では注意散漫だと言うことは覚えておくべきです。
つまり、1万円の価格差では「ライバル店より高いだけ」と思われる危険があったので2万円高く設定したのです。
実際、売場では「どうしてこんなに高いのか?」と質問するお客様が毎日3人はいたそうです。POPには書いてあるんですけどね。
実は、このモデルがヒットしていた頃、新宿店の買上率は1%増えただけでした。正直言って誤差の範囲内です。
それでも30%の売上アップができたのは、パソコンの単価が14万円だったからです。
まとめ
もし、あなたが、派手な結果(売上)が欲しいなら、買上率を上げることをお勧めします。
買上率を上げるには限定、セット、POPの3点セットを使い倒してください。そうすれば買上率のアップと、そして客単価のアップにも繋がるでしょう。
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