コンビニ経営は儲からないと言われますが……。
それにしても、最近のメディアによる、セブンイレブンの本部叩きは目に余ると思います。
特に、本部を叩いているオーナーは誰と戦っているのだと言いたいです。
コンビニが24時間営業の看板を下ろしたら、コンビニがお客様に提供できる価値――利便性を失ってしまうではありませんか!
コンビニは安いわけでも、品揃えが豊富なわけでもないです。また、売場が楽しいわけでも、店員の接客レベルが高いわけでもない。つまり、お客様がコンビニで買う理由は利便性だけなのです。
それを失って、今の売上を維持できるのか?
普通の経営者ならとてもイエスとは言えないです。それなのに本部を叩くオーナーときたら。彼らはセブンイレブンが不滅だとでも思っているのでしょうか……。
そもそも、コンビニ経営が儲からないのは本部が悪いわけではありません。それには2つ理由があります。
フランチャイズだから
一つはフランチャイズだから。
フランチャイズ経営は加盟店を生かさず殺さずが基本です。なぜなら、下手に儲けさせると独立したり、加盟店がまとまって別なフランチャイズを作ったりするからです。そうなったらたまらないので加盟店が儲からないように設計するわけです。
イトーヨーカ堂が米国セブンイレブンからノウハウを買ったとき、一番役に立ったのがフランチャイズ経営システムではないかと私は考えます。コンビニ会計は、本部にとっては非常に良くできたシステムと言えるでしょう。
もっとも本部からしたらマスマーケティングしたり、商品開発したり、マーチャンダイジングしたり、売場を作ったり、会計処理を代行したり、情報システムに投資したり、光熱費を負担したり、経営指導員を派遣したりと言ったコストを負担しているわけです。
こんなこと、個人事業主ではできません。たとえ法人でもマスマーケティングを行うには税金対策が必要な利益が必要です。コンビニ本部がやっている仕事量を考えたら決して暴利をむさぼっているとは思えないです。
利益商品を扱っていないから
コンビニ経営が儲からないもう一つの理由は、利益商品を扱っていないからです。低単価で利幅の薄い、集客商品で商売をしているからです。そのような商品ばかり売っていたのではロイヤリティーが10分の1になっても大して儲からないでしょう。
利益商品とは顧客に売る商品で、高額で粗利がたっぷりある商品のことです。この種の商品は加盟店のオーナーが開発なり、仕入する必要があります。なぜなら、本部から仕入れるのでは、ロイヤリティーを払わなければならないので、利益商品にならないからです。
なぜ利益商品を用意しないのでしょうか?
最大の問題は、ほとんどのコンビニが顧客がどこの誰かわからないことです、
利益商品は店頭で売るのではなく、即売会や、訪問販売、電話販売、またはダイレクトメールなど、顧客に直接売る商品です。つまり、顧客に連絡を取れないと売りようがないのです。
これはコンビニが分不相応にもマスマーケティングを使えることの弊害と言えるでしょう。マスマーケティングとは、メッセージを大量にバラ巻いて、誰かにヒットすればオッケーというスタイルです。
コンビニの集客は顧客獲得を偶然に頼り切っている業態と言えるでしょう。
そもそも、顧客は店のモノです。本部のモノではありません。そうであるなら、顧客がどこから来るのか、そして誰なのかを知らないでいいわけがないと言えるでしょう。
ちなみに、私の利益商品がコレです。まだ価格が安すぎですが半分しかできていないので仕方ないのです。でも、来週からは少し高くなります。
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