実はこのサイトを作るきっかけだったのです……ネガティブな意味で。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
あまり言いたくないのですが、私、2007年に半年だけ洋品店の店長をやったことがあります。アパレル系でも、作業着の専門店でもありません。
古びた商店街で見かける、子供から大人まで、女性も男性も、フォーマルもカジュアルもと言った、洋服なら何でもありの店でした。
あまり言いたくない理由は失敗したからではありません。半年で50%の売上アップはできました。結果としては成功です。
しかし、この店、私が店長を辞めた3年後に廃業しました。もっとも、それを知ったのはもっと後のことです。
私が話したくない理由は、私が社員にして、売場マネージャーに抜擢した、後任の店長が1ヶ月で辞めてしまったことにあります。
なぜ、洋品店の店長になったのか?
オーナーさんに売上アップのアドバイスしていたら、「うちに必要なのはコンサルタントではなく、店長だ」と言われました。「それなら私がやりましょう」と言うことで店長になりました。半年で30%――移動平均で、です――売上を上げたらボーナスをもらえるという条件も魅力だったので。
最初に売れそうな要素を探す
私が店長をやるときは、最初に顧客、商品、スタッフの中から売れそうな要素を探します。
商売は顧客に売るのがカンタンです。売れる商品を売るのがカンタンです。そして、売れる人が売るのがカンタンです。
私が着任して最初にやったのもコレを探すことでした。
顧客リストはありました。メンテナンスされていないのが心配でしたが、ないよりはましです。
例によって、売上ランキングは役に立ちませんでした。売上上位はニーズが不明な商品ばかりなので。
ちなみに当時の私、アパレル系には完全な素人です。しかし、敢えて勉強しようとは思いませんでした。付け焼き刃では役に立たないので「意地悪なお客」でいようと考えていました。
売場で発見
売場で売れる商品を探していたとき、Tシャツ売場のディスプレイが目に止まりました。無味乾燥で平凡な陳列ばかりが目に付く店内で、浮くほどおしゃれな陳列でした。まるで表参道の雑貨屋のような陳列でした。
売場の担当はアルバイトの女性。彼女がオーナーさんに「ああしたい、こうしたい」としつこく言ったら「好きにやれ」と根負けしたそうです。だから浮いていたんです。
彼女は20代前半でしたが、商品が好きで、情熱がありました。その上、売れる売場を作ることができました。
おしゃれな売場を作れるヤツはたくさんいます。しかし、おしゃれで、かつ、売れる売場を作れるヤツとなると希少です。
ちなみに、おしゃれでなくても売れる売場を作れるヤツはそこそこいるのですが。私もその一人です。
おしゃれで、かつ、売れる売場を作れるスタッフ――彼女を見つけたことが私の最大の功績と言えるでしょう。商売は売れる人が売ったらもっと売れるからです。
私はアルバイトだった彼女をオーナーに言って社員にしてもらいました。そして、私の側に置いて、売り方を学ばせました。
6ヶ月目に50%の売上アップを果たしたのですが、その月、私は週1回月曜日にしか、店に顔を出していませんでした。実質的に50%の売上アップを果たしたのは彼女だと言えるでしょう。
なぜ、彼女は半年で辞めたのか?
そんな彼女はなぜ、半年で辞めてしまったのでしょうか?
彼女は「人間関係に疲れた」と言って辞めたらしいです。そして小売の世界から去ってしまったとのこと。
私が彼女に教えたのは売上の作り方だけでした。年上の部下との付き合い方や、仕事の進め方、店作りの基本については教えていなかったのです。
なぜなら、オーナーから私への依頼は半年で30%の売上アップを図ることだったからです。それは彼女――売れる人を見つけたことで、半分成功していました。
正直、あとのことは知らない――責任は持てないと思っていたのです。そのため、オーナーから後任の店長を「彼女にしたいんだけど」と相談されたとき、「いいんじゃないですか?」といい加減に答えてしまいました。
私は「才能ある女性を一人潰したのかもしれない」と今でも思うことがあります。しかし、彼女の上司はオーナーです。オーナーの教育方針もわからず、私に何かできるわけでもないです。私の仕事は売上を上げることで、人を育てることではないです。
売上を作るのはオーナーさんであり、店長さんであるべき
ちょっとあれな言い方ですが、私が店長をやったら売れるのは当たり前です。それなりに経験を積んでいるので。ただし、あとのことは責任を持てません。
それでも、この時の経験から、自分が直接店長として仕事を受けることはなくなりました。まあ、メニューにないので依頼する人もいないでしょうが。
売上を作るのは、その店のオーナーさんであり、店長さんであるべきだと思うからです。
私が2008年にパワー店長養成講座と言うサイトを立ち上げたのは、このような背景があったからです。
だから、店作りの基本をうるさく言い、今売場にいる人に売れといい、顧客に売れというのです。
そして店を支えてくれるのは顧客なのだと言うことを肝に銘じてほしいのです。
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