結果を出している店長には難しい仕事が回ってくるモノです。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
あなたが結果を出している店長なら、もしかしたら売上不振店の店長が廻ってくるかもしれません。
私は二度、そのような立場に置かれたことがあります。一度目は失敗し、二度目は成功しました。
正直言うと、二度目は「半年以内に30%売上を上げろ。できなければクビ」と言う指示だったので、やることが単純明快だったという理由もあります。普通に「店を建て直せ」と言われたら失敗していた可能性は高いでしょう。
そう言う好条件に恵まれていたとしても、一度目の失敗で学んだことは大きかったです。私が最初の失敗で学び、二度目で注意したことは以下の5つです。
1.自分を過信しない
結果を出した店長は何でも出来ると思い込みがちです。実際、売上を上げるだけなら一人で何とかできます。
私が二度目に店長をやったときは、何を売るか、どうやって売るかをすべて私が決めました。そのためにダイレクトメール、情報提供POP、販売POPを駆使しました。すべての販促物は自分で作り、手配も自分でやりました。販売力に依存しないように仕組み化したのです。
おかげで3ヶ月で30%の売上アップを果たすことができました。
しかし、私はそれ以外のこと――特に店作りの基本に関してはまったく手を付けませんでした。私は実験をしたからです。店作りの基本ができていなくても売上アップは可能かという実験です。それはイエスでした。
店作りの基本に手を付けなかった理由は、絶対に一人ではできないからです。一人でできないと言うことは時間が掛かると言うことです。私は時間を惜しんだのです。
その結果、次の商戦では開店以来最低の売上を記録してしまいました。私は売上を上げること――お客様を増やすことで、店の悪評を広めてしまったのです。
2.前任者批判は聞き流す
前任者が如何にダメだったかをあなたに言う部下がいます。しかし、それを信じたり、同調したりしてはいけません。
前任者批判は、あなたに取り入りたいか、あるいは、あなたを自分の思い通りにコントロールしたい下心があります。聞き流すに限ります。
3.過去の実績を語らない
あなたが前の店で作った実績を語ってはいけません。
あなたは部下にとってはただの新任の店長。最初のうちは「何をやるのかお手並み拝見」と言った冷たい反応です。だからこそ、権威付けしたい気持ちは痛いほどわかります。私もそうだったので。
権威付けは、売上が順調な店なら有効です。と言うか実績を示さないと信用を得られません。しかし、売上不振店は違います。部下の興味は「自分が良くなるために何をしてくれるのか?」だけです。あなたが何者なのかは興味が無いのです。
権威付けより、小さくてもいいので早く成果を出すことが重要です。
4.「人がダメ」と口にしない
新しい店の店長になった直後は、営業会議などでは現状の報告を行うことになります。そのとき、絶対に「人(従業員)に問題がある」と言ってはいけません。
結果を出していたあなたの前の部下と比べたら、レベルが落ちるのは仕方のないことです。人をカンタンに入れ替えることが出来ない以上、そんな報告をしても意味がないし、あなたが会議で言ったことは部下にも伝わるものです。言われた方がどう思うか……。
「人がダメ」は言わない方が賢明です。
5.人を変えようとしない
「人は変化を好まない」とは、私はウソだと思います。それどころか、人は変化が大好きなのです。ただ、他人に強制されたくないだけなのです。変化を強制するから反発を招くのです。
そもそも変化を強制する必要はないのです。環境やシステムを変えれば人は自然に変わるからです。
「4Sをやれ」と言うのではなく、「4Sのやり方」を作れば良いのです。
参考にしてください
- 自分を過信しない
- 前任者批判は聞き流す
- 過去の実績を語らない
- 「人がダメ」と口にしない
- 人を変えようとしない
以上、売上不振店の店長のお鉢が廻ってきたときに参考にしてください。
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