それは人手不足の解消なんかではありません。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
コンビニ大手のローソンは、レジに並ばずに買い物ができる「ローソンスマホペイ」の実証実験を4月23日から始めました。
「ローソンスマホペイ」とは、スマートフォンにインストールしたアプリを使ってその場で商品をスキャンして決済が可能なサービスです。
米国ではAmazonGoというレジなしコンビニが営業しています。「日本でもようやく実験が始まったのか」という感じです。
無地レジのメリットというと、日本のメディアでは人員削減という視点で語られることが多いです。
しかし、私は違うと思います。無人レジのメリットは、売上アップの方程式が仮のモノから真のモノに変わることだと、私は考えます。
真と仮、2つの売上アップの方程式
仮の売上アップの方程式は次の通り。
売上=客数×客単価
おなじみのヤツですね。
一方、真の売上アップの方程式は次の通りです。
売上=(新規客数+顧客数×購入回数)×客単価
通販はこちらを使っています。ネット通販の強みの一つがココにあると私は考えます。
では、なぜ、こちらが真の売上アップの方程式なのでしょうか?
真の売上アップの方程式とは?
なぜなら、店の売上はお客様が買うことで作られるからです。
店にとってお客様は大きく2つに分かれます。一つは、初めて買い物をした新規客、もう一つは、何回か買い物をしている顧客です。
店の商売は、顧客の購入回数を増やすことと客単価を上げることの2つが基本です。なぜなら、顧客に売る方が新規客に売るより儲かるからです。
ただ、顧客は必ず減っていきます。減らないように手を尽くすことが大切ですが、それでも減るのが顧客です。
顧客だけを相手にしていては、商売は先細りになるだけです。したがって、新規客の獲得にも気を配る必要があるわけです。
新規客が増えて、顧客の買上金額が増えていれば商売は安泰と言えます。
なぜ、仮の方程式があるのか?
本来なら、真の売上アップの方程式が唯一の指標であるべきです。ただ、売場では、誰が新規客で、誰が顧客かを知るのは難しいです。
新規客と顧客を区別するためにポイントカードを導入したりします。しかし、ポイントカードは店に対する忠誠心が高いか、購買頻度が高いか、単価が高いかの条件が揃わないとなかなかうまく行きません。
だから、真の方程式の代わりに、客数×客単価と言う仮の式を、仕方なく使っているのです。
無人レジになれば?
しかし、無人レジになれば状況は変わります。
新規客と顧客の区別が容易になります。すると、顧客の価値が数字でわかるようになります。
無人レジが実現すれば、店も顧客主導の商売に変わることができるでしょう。販売計画も商品ではなく、顧客が中心になるでしょう。
ネット通販の強みの一つを手に入れたとき、小売店がどう変わるか、あるいは変われないのか、それが今から楽しみです。
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