やる気のないヤツ?
いいえ。やる気のないヤツは仕事の質が低いので目立ちます。
だから、クビにするか、他部署へ異動させるかして隔離することができます。
チームにとって本当に問題となるのはこのような目立つヤツではありません。
一見するとそこそこの質で仕事をこなしているのに、ステルス性のガン細胞のように、ゆっくりと他のスタッフの意欲をそぎ、モラルを破壊するスタッフ。そんなスタッフはやる気のないヤツよりはるかに危険です。
私はよりによって、こう言うヤツを信用してしまったせいで、結果を出すまで4ヶ月も掛かってしまったことがあります。
こいつは私のアイデアを「それ売れますよ」と持ち上げておきながら、部下には「あんなのやらなくていい」と言っていたのです。
この手の連中は頭がいいのでなかなか尻尾をつかむことができません。
私が気づいたのも、長い付き合いの取引先の営業担当に言われたからです。自分では気づくことができなかったのです。
実は、つい最近、クライアントさんのお店で足を引っ張るヤツを見つけました。
そいつは偶然見つかった
4月にやった、新人を商売人にする研修のフォローアップを10月にやったときのこと。新人さんの一人に言われたことがきっかけでヤツは見つかりました。
ある先輩に「新人、あんまり働くんじゃねえよ。お前が成果を上げると俺たちがサボっているように見えるんだよ」と言われたそうです。
新人はよく働くのが普通です。仕事を覚えて早く一人前になりたいからです。仕事を覚えるには練習あるのみです。そのためには人より長く働くこともあります。その結果、先輩以上の成果を上げることがあります。
つまり、この先輩は「自分はそこまで働きたくない。だからお前も働くな!」と言っているのです。
ネガティブとポジティブの勝負はネガティブの方が強いです。「働くな」と言われたら働きたくなくなる人の方が多いです。
まさに危機一髪でした。もう少し遅かったらこの店は期待の新人を一人潰すところでした。
店長に報告すると…
このことを店長に報告すると「アイツが?本当に?!」と驚いていました。
店長も私と同じでだまされていたのです。それほど足を引っ張るヤツを見つけるのは難しいと言うことです。
この先輩には異動してもらいました。
なぜ、ヤツが足を引っ張ると?
なぜ、ヤツが足を引っ張ると判断したかわかります?
デキる人は自分と他人を比べないからです。
ダメなヤツは頑張りたくないのです。だから、他人の足を引っ張って引きずり下ろすことで安心します。他人を引きずり下ろせば自分が負けることはないからです。
一方、デキる人は今の自分と過去の自分を比べます。
昨日より今日、今日より明日と、どれだけいい結果を出せるか、それがデキる人にとっての「勝つ」ということなのです。
新人に聞けば済むわけではない
だからと言って「足を引っ張るヤツを見つけるには新人に聞けばいい」わけではありません。
たぶん、店長が直接聞いてもこういうことは聞き出せないでしょう。
店長に言う、先輩が注意される、「誰が告げ口したんだ?」と追及が始まる、バレて不愉快な目に遭う、と言う流れは容易に想像できますからね。
私が聞き出せたのも、私が外部の人間で、かつ、彼が私を少しは信用していたことが上げられます。
そして、たまたま私が足を引っ張られたエピソードを話したあとで、話しやすかっただろうし。
ただ、コレだけは言えます。
人を信じるときは条件付きで
もし、あなたが無条件で信じてしまっている従業員がいたら要注意です。彼は従順な笑顔の下にガン細胞を隠しているかもしれないからです。
無条件で信じていい相手など、いていいはずがないと心得ておきましょう。
人を信じるときは条件付きで信じてください。
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