コレは雇われ店長さんに向けた記事です。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
多くの店で、売上の悪い店長は降格になります。
正直言って、降格はきついです。
昨日まで部下だった人たちの、哀れみに満ちた、あるいは嘲笑を含んだ視線に耐えなければならないからです。
降格の経験者は全員「店長なんか、ならなければよかった」と口にします。
実際、降格と同時に辞めてしまう人もいます。
自尊心が傷つくことに耐えられないという気持ちもよくわかります。
ただ、それでも私は、辞めないことをお勧めします。
なぜなら、店長の務まる人間などそうはいないからです。
待っていれば必ず次のチャンスが巡ってきます。その時に備えて力を蓄えておきましょう。
ただ、不思議に思いませんか?
売上が悪いのは店長だけの責任なのでしょうか?
彼らに責任はないのか?
たとえば、次のような人たちには責任はないのでしょうか?
- お客の流れから外れたところに出店を決めた店舗開発担当者
- 誰も欲しがらない目玉商品を仕入れるバイヤー
- 行列を作ることもできないチラシを作っている広告宣伝担当者
- 電話の取り方も知らない新入社員を配属する人事部と社員教育担当者
私の知る限り、店舗開発担当役員が責任を取ったと言う話は聞いたことがありません。
また、チラシを作る担当者やバイヤーが責任を取ったと言う話も聞いたことがありません。
なぜ、彼らは責任を取らずに許されるのでしょうか?
それは本部スタッフには責任回避機能が組み込まれているからです。
責任回避機能とは?
責任回避機能は組織には必ず組み込まれています。と言うか、組織は、誰か一人が責任を負わなくてもすむためにあるモノです。
日本の多くの組織が活用している責任回避機能は「会議」です。
会議で決めたことは、みんなで決めたことです。だから、みんなに責任があります。みんなに責任があると言うことは、裏を返せば、誰も責任を取らなくてもいいと言うことです。
だから「日本人は!」と怒りたくなる?
いえいえ、待ってください。
責任回避機能は米国にだってあります。
米国では、コンサルタントやシンクタンクがその役割を果たします。
失敗したらコンサルタントやシンクタンクが悪いのです。だから、組織の中の人間は責任を取らなくてすみます。
残念なことに、店長というポジションはこうした責任回避機能の外にあります。と言うか、むしろ責任を押し付けられるポジションだと言えます。
店長は、誰も守ってくれないどころか、トカゲの尻尾なのです。何かあったら切る、その程度のもんなのです。
それでも辞めないことを勧める理由
だったら、店長なんか、なりたくなかった?
本気でそう思います?
給料をもらいながら、商売や経営のことを学べるのに?しかも、会社のヒト、モノ、カネを使ってできるのに?
こんなおいしい仕事、他にはまずないです。
モノを売るというのはもっともベーシックな経済活動です。コレをマスターできたらどんなビジネスもできると思いませんか?
店長で得られるものの価値を考えたら、降格で失うモノなどたかがしれています。プライドなんか犬に食わせてしまえばいいのです。
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