価値観で変わるので先入れ先出しも店によって違うことがあります。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
関東で大きく展開している、ある食品スーパーの乳製品売場での出来事。
「牛乳を品出ししたの、坂田さん?」
明らかに苛立ちを抑えている様子の売場主任。
その雰囲気にビビっているパートの坂田さん(仮名)。
でも、彼女はちゃんと新しいモノを手前に、古いモノを奥に陳列しました(先入れ後出し)。
「坂田さん、前にスーパーで働いていたって本当?」
「はい、○○で10年働いていました」
○○は神奈川の一部で展開している今元気なローカルチェーンです。
「信じられないなあ。牛乳の日付を見てごらんよ」
日付を見てもおかしいところはありません。
基本通り、新しいモノを手前に、古いモノを奥にちゃんと陳列しています。
彼女の反応がないので売場主任はキレてしまいました。
売場主任は先入れ先出しが基本だった
「日付が逆でしょ?古いのが前、新しいのが奥(先入れ先出し)。コレ、常識!スグに直して!!前の店でもそうだったでしょ?」
売場主任は彼女の答えを聞かずにその場を立ち去ってしまいました。
まさか「前の店はこうだった」なんて答えが返ってくるとは想像できなかったのでしょう。
坂田さんは,自分が当たり前だと思っていたことを否定されてショックを受けました。
仕事への自信を失った坂田さんは1ヶ月後、辞めてしまいました。
無知は罪ではない。しかし、傲慢は罪
売場主任は「あいつは使えないから」と言っていたそうです。
しかし、この話を聞いた私は「使えないのはあんただよ」と思いました。
売場主任は○○というローカルチェーンを知りませんでした。
たぶん、「大規模チェーンのうちに比べたらカスみたいなモノ」と思ったのでしょう。
しかし、○○は業界紙に取り上げられる、元気な店。
もし、売場主任がコレを知っていたらチャンスと思ったでしょう。
そこで10年も働いていた人に直接聞くことができるのです。
株で言うインサイダー取引みたいなモノです。
このチャンスをつかまないのは愚かとしか言い様がないです。
傲慢という罪を犯さないために
あなたはこんな愚かなことはしたくないですよね?
それなら、部下があなたの当たり前と違うことをしたとき、この売場主任のように頭から否定してはいけません。
必ず理由を聞くようにしてください。
相手が坂田さんのようなベテランでなくても、です。
なぜなら、未経験のパート、アルバイトはお客様と感覚が近いからです。
つまり、彼や彼女のやることはお客様が求めていることかもしれないのです。
たとえば、あなたが坂田さんの上司なら、どうして先入れ後出しにしたのか聞きましょう。
「前の店でそう教わったので」と答えが返ってきたらその理由を聞きましょう。
新しい知見が得られること、確実です。
今、坂田さんは…
ところでこの坂田さん、今はパワー店長養成講座で学んでいる店長さんの店で働いています。
自信を取り戻し、今は仕事が楽しいそうです。めでたしめでたし。
コメント