売上を作るには、売りやすい時に、売りやすい商品を、売りやすいお客様に売るのが基本です。
この3つの中でよく誤解されるのが「売りやすいお客様に売る」です。
売りやすいお客様とは、顔馴染みやあなたと親しいお客様のことではありません。
あなたの店が薦める商品をカンタンに買って頂けるお客様のことです。
「え?同じじゃないの?」
いいえ、まったく違います。
親しいお客様が顧客とは限らない
なぜなら現場は売りやすいお客様を知らない可能性が高いからです。
私がお客様相談室を担当していたとき、各店の買上上位3名を抽出し、「どんなお客様?」と照会したことがあります。
その結果は、店が顧客として認識しているのは27名中たった2名でした。
店の買上上位3人をまったく認識していない店が9店舗中8店舗もあったのです。
どうしてたくさん買っているお客様がわからないのだと思います?
現場が知らない理由
パソコン専門店の場合、店員が顧客と認識するのは、雑談しに来るか、「いつも買っているから」と値引きを迫るお客様です。
そういうお客様の方が印象に残るからです。
一方、通常価格で買って頂いて、クレームもなく、無駄話もしないお客様は印象に残りません。
だから、現場が売りやすいお客様を認識していない可能性が高いわけです。
濃密なコミュニケーションは望んでいない
たぶん、売りやすいお客様は、店員との濃密なコミュニケーションは望んでいないのでしょう。
だから、彼らを名前で呼んだり、親しげに声を掛けたりと言った、「あなたのこと、わかっていますよ」的なコトはしない方がいいと思います。
現場は、売りやすいお客様を認識する必要はありますが、仲良くなる必要はないわけです。
ところで、店が「顧客」と思っているお客様は買上上位30%に一人も入っていませんでした。
つまり、店はお客様と仲良くなる必要なんかないのかもしれませんね。
もっともこのデータ、パソコン専門店チェーンの30万人の顧客リストと購買履歴から得たモノです。あなたのお店は違うかもしれません。
それでも、顧客の棚卸しをしてみることはお薦めします。
その顧客、本当に儲かっていますか?
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