お店にはたくさんの仕事があります。
あまり大きな声では言えませんが、労働基準法を守っていたら終わらないくらいあります。
売上の8割が2~3割の商品でできているように、売上の8割は2~3割の仕事でできています。
コレ、裏返すと、仕事の7~8割はやらなくてもいい仕事なのです。
では、あなたは売上の8割を占める2~3割の仕事が何かわかりますか?
正直言って、その2~3割の仕事が何かは店によって異なるでしょう。
ただ、売上の8割とは言いませんが、5割くらいは次の3つの仕事でできています。
床をピカピカにする
売場をきれいにするのは店作りの基本中の基本です。
ただ、売場をきれいにするだけでも仕事はたくさんあります。
商品、陳列台の棚板、平台の上、店の前、店頭、床、トイレと、下手するとコレを清掃するだけで一日が終わっていまいます。
もちろん、清掃ばかりしていても売上は上がりません。
清掃も、より成果の上がる仕事に集中するべきです。
売場をきれいにするのにもっとも効果的な場所が床です。
床をピカピカにすると第一印象で「きれいな店」とお客様に感じてもらえるからです。
お客様の第一印象を変えるのは大変です。それならば最初にいい印象を与えるようにしましょう
床をピカピカにするコトにはもう一つメリットがあります。
実はこちらの方がより大きいメリットです。
床をピカピカにすると従業員の意識を変えることができるのです。
床がピカピカになれば棚板の汚れが気になります。棚板がきれいになれば乱れた陳列や汚れた商品が気になります。
「4Sを徹底しろ!!」とうるさく言うより、はるかにカンタンに意識を変えられます。
人の行動を変えるのに意識改革なんて必要ありません。環境を変えればいいのです。
欠品阻止
二つ目は、欠品させないことです。
欠品しているとお客様は買いたくても買えないわけで。
また、購買頻度の高い商品を扱っている場合、欠品は機会損失ではなく、顧客損失になりかねません。
顧客満足度経営が流行っていた20年くらい前、欠品が3回続くとお客様は店を替えると言われていました。
売上とお客様を失わないためには絶対に欠品させてはいけないわけです。
それでも「取扱商品すべてを欠品させない」なんてことは不可能です。
毎日全商品の売上と在庫をチェックするとなると、サービス残業、サービス休出をしなければなりません。
「労働基準法を守っていたのでは店の仕事なんかできない」ですが、さすがにそれに期待するのはいろいろとヤバいです。
こういう危ないところには近づかないのが店長の処世術です。
全部はできないんですから、欠品が起きるのは仕方ないと割り切ることです。
その代わり、売上の7~8割を占める2~3割の売れ筋商品は絶対に欠品させない覚悟で取り組みます。
毎日売上と在庫と売場をチェックし、十分な量を発注しておきましょう。
ちなみに、2~3割の商品でさえ管理しきれないほど数がある場合もあります。
その場合は1割の商品を管理します。
売上の5割は1割の商品で構成されていることが多いからです。
ココまでやっても欠品は起こるんですけどね。それだけ需要を予測するのは難しいと言うことです。だから、予測を的中させようなんて思わないことですね。
この辺りの数字はあなたのお店のデータを調べて微調整してください。
ところで、この運用は数字だけを見て行なってください。
現場の「○○は欠品させないでくれ」と言う声に対しては数字で判断してください。
現場は在庫がなくて売り逃したことが強く印象に残るからです。
月に1個しか売れない商品を毎日在庫チェックするのはムダな仕事ですからね。
現代の売場ではムダなことをしてはいけないのです。
売れ筋を目立たせる
売れ筋を売場で目立たせることです。
売場の目立つ場所に置くのは大前提です。
しかし、目立つ場所に置いたら終わりではありません。
なぜなら、売れ筋の陳列は変化が激しいからです。
売れ筋は売れるから売れ筋なわけです。
売れると言うことは、お客様が商品を見たり手に取ったりするわけです。
そうなれば陳列は乱れます。陳列=在庫ならば売れたら減ります。
陳列が乱れて商品が見えなくなったり、棚から商品がなくなったりしたら目立たなくなります。
たとえ売れ筋でも、商品が見えなかったらお客様は買えないのです。
したがって、売上の7~8割を占める2~3割の商品は常に陳列直しを行なわなければならないのです。
陳列直しでやるべきコトは、整理、前進立体陳列、品出しの3つです。
陳列直しの優先順位1番目は整理です。
お客様の中には手に取った商品を元の場所に戻さずにその場に放置する人がいます。
また、元の場所には戻すものの、丸めたり裏返しで戻す人がいます。
この状態で放置すると商品が見にくい上、商品の価値も落ちてしまいます。
陳列直しの最優先は散らかった商品を整理することです。
2番目は前進立体陳列です。
前進立体陳列とは、陳列台の棚板の最前に、商品の顔が見えるように立体に陳列することです。前進立体陳列は、陳列の基本中の基本です。
なぜ前進立体陳列が基本なのだと思います?
商品が棚板の奥にあると見えないからです。また、商品が寝ていると見えない陳列場所が多いからです。
3番目は品出しです。
商品を目立たせるのにもっともカンタンなのが量感を出すことです。
品出しすれば今日入ったアルバイトでさえ量感を出すことができます。
陳列直しは売上に直結する重要な仕事です。手を抜かないで下さいね。
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