おはようございます、小宮です。
この1週間の間に「クラシックなセールスって何ですか?」という質問を3件頂きました。
クラシックなセールスと言う呼び方は、私のいた業界の用語か、あるいは私の廻り限定の言い方かもしれないと感じたのでちゃんと書いておきます。
クラシックなセールスとは、高度成長期の熱血セールスマンの売り方を表しています。
「クラシック」と言っても、「古くさい」とか「現代では通用しない」とか言ったネガティブな意味はありません。
もし、あなたがそう感じたとしたら、この売り方に苦労した私の思いが文章に出てしまったのかもしれません。
高度成長期のセールスマンはどう売っていたか?
私が販売の仕事を始めたころは既に高度成長期は終わっていましたが、その世代のセールスマンはまだ現役でした。
家電の「三種の神器」を売りまくったセールスマンがよく話してくれました。
彼らは「売ることは正義。売らないことこそ罪悪」と言います。
なぜなら、商品がないことでお客は損をしているからです。損をしていると知りながら放置する方が「人間としてダメだろう」と彼らは考えるのです。
だから、訪問販売なら「お客が買うまで帰らない」し、店頭販売なら「お客が買うまで帰さない」のです。「売ってあげることがお客のため」だから。
「モノが不足していた高度成長期だから通用したやり方だろ?」
ところがそうとも言えないのです。
入社4年目の頃、「全従業員でエアコンの訪問販売をやれ」との業務命令がありました。エアコンを売ったことがない私も、文京区本郷を担当するチームに入りました。
文京区本郷は、当時でもエアコンのある家が多く、「エアコンいかがですか?」と声を掛けては「エアコンありますから」と断られる繰り返しでした。
「エアコンあるのに売れないよな」とチームの誰もが思っていたら、なんと!入社3ヶ月の新人が1台売ってしまったのです。
彼が売った方法こそ、クラシックなセールスでした。
彼は、「訪問販売でどう売ったらいいか?」を売場の先輩セールスマンに聞いて、その通りにやったら「売れた」のだそうです。
彼が教えてもらったことを要約すると次の通り。
「問題があることに気づかせろ。気づかせたら、今買うか、後で買うかの二択になる。問題解決は早いに超したことはないから売れる」
これだけ聞くと、言っていることはモダンセールスと同じですよね?
古いモノを否定するのは、新しいモノを売りたいからです。クラシックなセールスが否定されたのもモダンセールスを売りたいから?かもしれないですね。
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