今でこそ女性のオタクもいますが、30年前、オタクと言えば男の世界でした。パソコンはオタクのモノでした。
私は10年近く、男相手に商売をしていたため、女性がパソコンを買うようになってからずいぶん苦労しました。
恥ずかしいことですが、男と女が違う考え方、感じ方をするとわかったのは、お付き合いさせていただいた女性からではなく、女性のお客様から学びました。
オタク=男を相手にしていた売場に、ある時期から女性が入り込んできました。PCが仕事で使われるようになって、しかも使うのは女性だったからです。
最初のうちは女子と話せて楽しかったのですが、すぐにパニックに変わりました。
女性には私たちの今までのやり方がまったく通用しなかったのです。それどころか、クレームになることさえありました。
私も、直接、間接にたくさんクレームを受けたのを鮮明に覚えています。
売場が汚い
私はきれいにしているつもりだったので、女性客に「汚い」と言われてショックでした。
男性には見えない汚れが女性には見えるのです。
これは、男性と女性では情報処理能力が違うことが原因です。女性の方が圧倒的に多くの情報を処理できます。
え? 科学的根拠?
そんなもんありません!
ただ、レジ係の女性に話を聞く習慣がある店長は、みんなこの事実を知っています。
説明が意味不明
「説明が意味不明」とは、恥ずかしながら私が女性客から直接言われたクレームです。
私と年も変わらない若い女性に「ちゃんと説明できる人と変わって」と言われてプライドが傷つきました。
でも、彼女の言うことはもっともだったのです。
私は彼女にもオタクにするのと同じ説明をしていました。当然、専門用語だらけです。知らない人にはマジで意味不明だったのです。
彼女のおかげで私は「専門用語知っている俺って詳しいでしょ?」と言う勘違い野郎から抜け出すことができました。
彼女に言われなかったら、今頃はとっくに終わっていました。
店員が怖い
怖いなんて、それまで言われたことがなかったので、どこが問題なのかなかなかわかりませんでした。
声が大きいこと、タメ口&乱暴な言葉使い、後ろを付いて歩くこと、後ろから声を掛けること。
いろいろ言われましたが、根本は、「女性にとって男性は怖いモノだ」という基本的な認識が、男性の店員になかったことが問題だったのです。
男性相手には後ろから声をかけるなんて普通にやってましたし、普通にやられてました。でも、女性からしたら怖いことなんですよね。
クレームを無視しないで良かった
私は、これらのクレームを無視しないで、本当に良かったと思います。
だって、女性に優しい売場は、男性にも優しい売場だったからです。
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