「これからは提案しないと売れない」とは私が新入社員だった’80年代前半から言われています。
当時の家電業界はオーディオブームが終わりかけていて、少なくなったお客を価格競争で奪い合う消耗戦が続いていました。
私が最初に配属された店はオーディオ専門。新人の頃から売上の厳しい店に配属されたわけです。
そこで、本社のマーケティング部門の人に散々言われたのが「これからは提案しないと売れない」です。
売場の視察に来るたび、一番若い私を捕まえて説教するわけです。
ただ、彼は、マーケティングのプロではあっても、オーディオには完全な素人。
提案が重要だとは言うものの、「情報を発信しろ」と言うだけで、具体的に何をすればいいかは教えてくれませんでした。
提案販売とは、具体的に何をすればいいのでしょうか?
あなたは部下にどのように説明しますか?
私は、提案販売とは「お客はわかっている」と思い込まずに、「わかりやすい売場」を作ることだと考えます。
私などは、マニアを相手に商売をしてた方が長いので、つい「お客はわかっている」と思い込みがちです。
最近はネットの普及で、他の商品でも同じような話を聞きます。
しかし、どれほどPCオタクでも、売場の人たちほど商品と付き合う時間はありません。
売場の人は、週5日、一日8時間は商品と向き合っています。まあ、付き合いの深さは人それぞれでしょうが。
その上売場の人はお客と接するわけです。お客にはいろいろな人がいて、様々な使い方をします。
どれほどのオタクでも、お客の数と同じくらいの使い方をすることは不可能です。
つまり、いくらネットで調べたって、売場の人ほど「わかっている」はずはないんです。
したがって、提案販売とは、次のヘッドコピー始まるPOPを書くことです。
「ご存知ですか?」
たとえば・・・
「ご存知ですか? 最下位モデルを買ってはいけない3つの理由」
決して「お客はわかっている」と思い込まず、初心者でもわかるように情報を発信することです。
中には「そんなこと、知っているよ」とか「レベル低い」とか言うヤツもいますが、気にすることはありません。
知っているのとわかっているのは違いますし、知っているのとできるのも全く違うことです。
何より私たち自身が身に染みて知っていることですよね?
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