もし、あなたが新人のコンサルタントで、クライアントを探しているなら、電気屋に売り込むことをお勧めします。
なぜなら、ほとんどの店がたいしたプレゼンでなくても(場合によっては企画書だけでも)取引してくれるからです。「使えるかどうかやってみよう」と考える人が多いのです。その代わり、契約してからが大変ですが。使えないとわかったらすぐに切られるし、支払いは拒否されます。
パソコンの黎明期、電気屋にはどこの馬の骨ともわからぬ連中(起業家)が売り込みにやってきました。最初は門前払いをしていました。恥ずかしながら、私がいた店はソフトバンクを門前払いしたことがあります。
ですが、彼らの中から急成長を遂げる会社が出てくるようになりました。門前払いしていた会社に、「売ってくれ」と頼むのは、交渉が難しくなるのはわかりますよね。
ソフトバンクを切った上司はバイヤーになっていましたが、ソフトバンクを担当することはありませんでした。相手の希望か、会社が気を使ったのかは不明です。どちらにせよ、「見る目がない」と烙印を押されるのは仕方ないことです。当時は、こんな経験をした電気屋がたくさんいました。
一方で、少数ながら、取引した店もあったわけです。無名の頃から取引していた店は、特別な便宜を図ってもらえます。当然ですね。起業家にとっては恩人ですから。そして、取引を決断した人は、「先見の明がある」と社内での評価が高くなります。
以降、電気屋は、よほど怪しくない限り、新しい会社とはとりあえず取引するところが増えました。これを言ったらお終いかもしれませんが、売れるかどうかなんて、売ってみなければわからないのです。その点、店はすぐに売ってみることができるわけで、門前払いするより、売場において見極めたほうがいろいろな意味で店にとっては得なのです。
実は他の業界でも、業界トップの企業はこれと同じ考え方をします。おっと、電気屋の自慢をしたいわけではありません。電気屋だって、パソコンを経験していなければ同じだったはずですからね。
営業の世界には「最初からトップを狙え」と言う言葉があります。セールスマンとしてトップを目指せと言う意味ではなく、新規開拓するなら業界のトップから攻めろという意味です。開拓精神が旺盛だからこそトップにいるわけですからね。
店にとって、法人はおいしいお客です。どうせ法人客を捕まえるなら地域でももっとも大手の会社から攻めましょう。多少時間がかかっても、大手と取引できれば、「○○さんと取引してもらっています」と言うとそうカンタンには断れなくなります。私の業界で言えば、「ビックカメラさんで扱ってもらっています」と言われたら、「取引しないとやばいかな?」と思ってしまいますからね。
店長は店で過ごすより、法人客を取るために営業に出るべきです。そして、最初からトップを目指すべきです。
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