あなたはコンビニでお弁当と飲み物を一緒に買うことはありますか?
たぶん、あると思います。その時、思いませんでしたか?
弁当と飲み物は一緒に買われることが多いはず。なのに、どうして売場が離れているのかと。弁当売場の横に、小さな飲み物の売場はありますが、選択肢は限られます。
その理由は、ローコストオペレーション――経費削減にあります。
併売分析
お客がどんな商品を一緒に買うかは、売場作りに役立つ貴重な情報の一つです。なぜなら、一緒に買われる商品を近くに陳列すれば、より売れる可能性が高くなるからです。これをバスケット分析や併売分析と言います。
今時のコンビニで、この程度のデータ分析もしていないチェーンはありません。今時のデータ分析は、データマイニングと言う手法が主流です。雑多なデータを放り込んでソフトを走らせれば関連する情報を得ることができます。
たとえば「気温が28度を越えると氷菓子が売れる」と言った情報はデータマイニングにかければすぐに知ることができます。
そうしたデータ分析を駆使しているコンビニが、「弁当と飲み物は一緒に買われることが多い」と言う情報を知らないはずがありません。
私の近所には3軒セブンイレブンがありますが、すべての店が弁当と飲み物の売場が離れています。
それはどうしてなのでしょうか?
弁当と飲み物の売場が離れている理由
以下は私の想像です。コンビニの関係者の方は見当違いだったら指摘してください。
おそらく、オペレーションが大変だから、なのだと思います。
弁当は消費期限が短いです。1日もないくらいです。だから、1日に2~3回納品があります。一方、飲み物の消費期限は1年以上です。1日1回納品があれば十分対処できます。
売場作りでは、売れ行きが速く、在庫確認や補充頻度の高い商品を倉庫の近くに配置するのが基本です。
従業員の移動距離が少なくなれば、一人当たりの生産性が上がり、人も少なくて済みます。つまり、移動距離が減るとコスト削減になるわけです。
この考え方をコンビニに当てはめると、弁当は納品されてからすぐに売場に出すのですから、入口に近い位置に配置するのが正解です。
一方で飲み物は、バックヤードから売場に出すことの方が多いので、売場の奥が正解です。冷蔵庫=バックヤードですからね。
売上も大事ですが、無駄なコストを削減することも大事と言うことでしょう。
コンビニは、弁当と飲み物を近くに陳列して売上を稼ぐより、無駄なコストがかかるのを嫌ったのだと私は思います。
結局、コストを負担するのは本部ではなくオーナーさんですからね。
あなたの売場にはこうしたムダはありませんか?
在庫確認が必要な商品や補充が頻繁な商品が、倉庫から遠く離れていると言ったことはありませんか?
目先の少しばかりの売上を優先するあまり、無駄なコストをかけすぎてはいませんか?
売場作りの基本は、「売れ行きが速く、在庫確認や補充頻度の高い商品を倉庫の近くに配置する」ことなのです。
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