コレで売れるわけがないと思うのですが…。
「死に筋を排除する」が売上アップのメニューに入ってきたのは最近です。イトーヨーカ堂の業革が広く知られてからです。
この時、業革のことを「在庫を減らして利益を増やした。減らしたのは死に筋。だから死に筋を減らせば売上が増える」となって広まりました。
実際、私のところにも「死に筋を排除しているのですが売れない」と言ってくる人がいます。
当たり前です。どうして死に筋を排除しただけで売れると思うのでしょうか?
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
カリスマが言っている
カリスマが言っているから? だったらカリスマの言うことは全部正しいのでしょうか?
そんなことはないはずです。あのカリスマの失脚は、周りに無能扱いされていた血縁者を重用したことにあります。カリスマも親バカというミスを犯すわけです。
カリスマの言うことを、何の疑問もなく受け入れてしまう。それって危ないことだと思いませんか?
死に筋を減らして売上が増えるからくり
死に筋を減らして売上が増えるからくりはこうです。
死に筋は売れません。だから大抵売場で大きなスペースを占めています。このスペースがなくなったとしたら?
売れ筋をそこに置くことができます。売場に売れ筋が増えるから売れる、と言うカンタンな理屈です。
だから、売上を上げたいなら死に筋を処分する必要はありません。死に筋をバックヤードに引っ込めてしまえばいいのです。
そうすれば売場に並ぶのは売れ筋だけになります。
死に筋の処分はどうする?
こう言うと大抵「死に筋が売れ残ってしまう」という反論があります。
では、死に筋を置いていて売れましたか?と聞きたいです。売れてないですよね?
売れていたら「死に筋を処分」なんて話にならないはずです。売場にあっても売れないならバックヤードにあっても同じです。
そもそも死に筋が売れない理由は、売れる価格で売らないからです。
なぜ、死に筋は売れないのか?
なぜ、死に筋を売れる価格で売らないのでしょうか?
それは、たとえ死に筋でも、「損を出したくない」と考えているからです。
ただ、もし、あなたの店がこの状況でも誰かを責めることはできません。なぜなら、たとえ死に筋でも、帳簿の上では資産だからです。資産とはお金のことです。仕入価格が1000円なら最低でも「1000円の価値がある」と帳簿には載せられるのです。たとえ売場では500円の価値しかなくても、です。
つまり、たとえ死に筋でも、在庫として持っていれば、決算のときに利益をかさ上げしてくれるのです。
もし、あなたの会社の経理担当役員や経理部長が死に筋の処分に及び腰なら、コレが理由です。決算で利益が出ていれば銀行も金を貸してくれます。したがって、誰もコレを責めることはできないです。
売れる価格で売れないなら…
もし、死に筋を売れる価格で売れないなら、あなたのやることは死に筋を処分することではありません。バックヤードに引っ込めることです。売場にあっても売れないならバックヤードにあっても同じだからです。
死に筋を処分するにしても、処分しないにしても、一度バックヤードに引っ込めてください。
バックヤードに引っ込めて、邪魔にならないように箱詰めしておきましょう。棚卸ししておくと後が楽です。
そして売場を売れ筋で満たしてください。
死に筋を処分しないなら、この後、何もする必要はありません。死に筋を処分するなら、売れ筋を売った利益を回して処分すればいいでしょう。
もちろん、死に筋を処分した方が商売としては健全です。たとえバックヤードでも売れない商品にスペースを使うのはムダだからです。
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