万引きを防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
実は、万引きの被害と店の入りやすさは比例します。
たとえば、万引き被害が深刻なのは書店です。
あなたは書店に入るとき、入りにくいと思ったことはありますか?
アンケートを取ったわけではありませんが、おそらく、100人中100人が書店に入りにくいとは思わないはずです。
あなたはこの理由がわかりますか? それは、店員に声を掛けられる心配がないからです。
つまり、接客がない、買わされる心配がない、だから入りやすいのです。
昔、商店街の小さな本屋だと立ち読みをしていると注意されたものですが、今はそんなこともありません。
私の地元である津田沼駅前は書店激戦区ですが、長い時間立ち読みしていても注意されるどころか、存在を気にされることすらありません。
実は、お客様が店員の存在を感じないこと、また、実際に、店員がお客様の動きを注意していないことは、万引きを企てようとしている連中にとって好都合なのです。
ですから、万引き対策の第一歩は、「私たち(店員)はあなた(お客様)を見ています(気にしています)」と言うメッセージを発信することです。
方法は3つあります。
来店したお客様には、目を見て「いらっしゃいませ」と声を掛ける
声を掛けないのは問題外です。
「この店はお客様を見ていない(警戒していない)」と不心得者に判断され、狙われます。
そして、一度狙われると際限なく狙われることになるので、店に入った瞬間の対応は極めて重要なんですよ。
ただ、声を掛けるだけでは不十分です。
「いらっしゃいませ」はどこの店でも言っているので、それだけで奴らは判断しないのです。
重要なのが、目を見て声を掛けることです。
もちろん、ほとんどのお客様は目線を合わせたりしません。
ただ、人間、見られている視線は感じるものです。
犯罪者は顔を見られることを嫌います。
従って、不心得者に警戒感を抱かせることができます。
警戒心を抱かせることができれば、万引き犯のターゲットにされる可能性は減ります。
何か探しているお客様には「何かお探しですか?」と声を掛ける
これはサービス向上と万引き対策の両方を狙えます。
どこの店でも、何かを探してうろうろしているお客様は見かけます。
でも、99%の店は店員が気づかないか、気づいても放置しています。
まあ、面倒くさいんでしょうね。
同業者としてわからないではありません。
ただ、ここで声を掛けるか掛けないかで店の評価は変わります。
声を掛けた方がはるかにサービスの良さをアピールできます。
もしかしたら、こうしたアピールが嫌いな人もいるかもしれません。
でも、メッセージはお客様に伝わらなければ意味がありません。
「お客様を大切に」と念仏のように百万遍唱えるよりは、行動で見せたほうが、はるかにカンタンにメッセージが伝わると私は思います。
不心得者に「この店はお客様を見ている」と伝えるのに、これほど効果的な方法はありません。
これを一石二鳥と言わないで、何を一石二鳥と言うのでしょうか。
手に一杯商品を抱えているお客様には「買い物カゴをどうぞ」と声を掛ける
これも量販店などでよく見かける光景ですね。
狙いは「何かお探しですか?」と同じです。
買い物をカゴを渡すのは、サービスのアピールでもありますが、「お客様は、持てる以上の買い物はしない」のは光速度不変の法則と同じくらい絶対の法則です。
買い物カゴを渡せば、もっと買ってもらえる可能性が高くなるのです。
だから、買い物カゴを渡さなければ損なのです。
この3つは、いわゆる「お声掛け」の中でも、もっとも難易度が低く、実践しやすいものです。
このくらいできないようでは店の将来は暗いですよ。
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