あなたは未来のことがわかったらいいと思いませんか?
商品の売れ行きがどうなるかわかったらどんなに商売が楽になるか!
未来を予測するなんて不可能だと思うかもしれません。確かに、明日何が起こるかを予測することは難しいです。
しかし、予測する対象が「商品」なら、ある手法を使って、かなりの精度で予測することができます。
その手法とは、ライフサイクルです。すべての商品は、導入期、成長期、成熟期、衰退期と、4つの時期を経て市場に浸透し、消えていきます。中には消えないものもありますが。
商品の寿命はライフサイクルを使えばある程度わかります。
ココではライフサイクルを使った未来予測の方法を紹介します。これらは、過去に存在した、あるいは今も存在している市場や商品の動きから導き出された法則です。
ライフサイクルと普及率
ライフサイクルは普及率と密接に関係しています。急速に普及したものは急速に衰退しますし、ゆっくり普及したものは衰退もゆっくりです。
たとえば、ある商品を1ヶ月で日本人全員が買ってしまったとしましょう。日本人全員が買ったら普及率は100%。単純に考えればここで成熟期に入ります。リピート性の低い商品だったらここで寿命は終わりです。
この事実を知っていれば、一過性のブームに乗って大損することはありません。
商品は、多様化、単純化、多様化の順に進化する
多くの種類の商品があり、かつ、市場が小さいのであれば導入期です。市場は、成長商品を探している真っ最中と言えるでしょう。ちなみに、成長商品を見つけることができず、そのまま消えてしまう商品もあります。
新しい作り手売り手が登場し、商品の種類が減って「二極化」と言うようなキーワードが聞こえるようになったらその商品は成長期に入ったと言えます。作り手も売り手も、多くの人のニーズ・ウォンツを満たす成長商品を見つけたのでしょう。
そして、再び商品の種類が増えてきたら成熟期に入ったと言えるでしょう。新しい提案をしているのがマイクロソフトというのがおもしろいです。
商品は、オーダーメイド、レディーメイド、オーダーメイドの順に進化する
商品が注文生産だったり、オプションがたくさんあって、お客様が選ぶ必要があれば導入期です。
しかし、「コレだけ買えば大丈夫」と言う具合に、最初から仕様が決まっていたり、また、必要なものが付属しているような商品が登場すると成長期に入ったと言えます。作り手や売り手が、多くの人が満足する組み合わせや仕様を見つけたのでしょう。
そして、再び注文生産や多くのオプションを組み合わせる商品が増えてきたら成熟期に入ったと言えるでしょう。
昔、服は職人さんがお客様の体に合わせて作ってくれるものでした。しかし、市場が拡大すると、工場で大量生産で作られるようになりました。それまでは服が人間に合わせてくれたのですが、人間が服に合わせるようになったわけですね。そして市場が成熟すると、再びオーダーメイドが注目されるようになりました。
この法則から言えることは、成熟期にはオーダーメイドが有効な戦略であると言うことです。あなたの商品は、オーダーメイドできないでしょうか? もしできるならチャンスかもしれません。
全てのものには寿命がある
「何を当たり前のことを!」とあなたは怒るかもしれません。断言しますが、この当たり前の事実を忘れてしまうことは非常に多いのです。
たとえば…「先週100本売れた商品。売れ行き順調なので今週分として150本注文したが急に売れ行きが鈍くなった」
あなたはこんな経験ありませんか?
私は何度もあります。意識的に開拓しない限り、店の顧客ベースは変わらないか、減り続けます。だから、店が販売できる数には限界があります。この数字は、1年以上商売をしていたらわかってきます。わかっているのに発注してしまうのです。
なぜなら、人間は「良い時が永遠に続く」と思い込みがちなのです。だから「全てのものには寿命がある」と言う宇宙の真実を忘れてしまうのです。
バブルで損を抱えた人たちも同じです。
私が知るある社長は、政府が総量規制を始めるという記事を読んだときに、「土地の値段が下がる」と確信して手持ちの土地を売って現金化したそうです。
彼の行動を銀行の担当者は「この狭い日本で、土地の値段が下がるわけがない」と笑ったそうです。でも、社長の判断の方が正しかったわけですね。
「土地の値段が下がるはずない」、「株が下がるはずがない」、「ゴルフ会員権が下がるはずがない」だから、それらを担保にすれば銀行はいくらでも金を貸してくれたのです。
今冷静に考えればそんなはずがないのです。上がったものは下がる、下がったものは上がる、これは宇宙の基本法則です。
私たちがこの罠から逃れるのは極めて大変です。何しろ、一流大学を出たエリートたちでさえはまったんですからね。
私は次の2つを提案します。
一つ目は、「全てのものには寿命がある」と言う言葉を書くか、あるいはプリンタで印刷して、目に入るところに張っておきましょう。ちなみに私はパソコンの壁紙にしています。
もう一つは、販売限界数値を持っておくことです。
正確な販売限界数値は、顧客数とイコールです。顧客数とは、たとえば、鈴木太郎さんと言う具合に個別に識別できるお客様の数で、買い上げ客数ではありません。しかし、正確な顧客数を把握するのは顧客管理をしていないと難しいです。
もっともカンタンな販売限界数値は、過去で一番売れた販売数量を使えばいいでしょう。ただし、高い価格帯で、もっとも売れた数値を採用してください。価格帯が上がれば上がるほどお客様の店に対する信用は高くなります。つまり、店の「真のお客様」は、高額商品の販売数に現れるのです。
もちろん、販売限界数値は、お客様を増やすことによって、あなたが増やしていくものです。
コメント