異動の季節です。新年度からは店長だと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
店長とは何か?というのは、先輩や上司が教えてくれると思いますが、私からもちょっとだけ言葉を贈ります。
店長の仕事は資金繰りをやらない以外、ほとんど社長の仕事と同じです。
店長は、会社から人、物、金を預かって利益を出すことが使命です。早い話、給料をもらいながら、実地で経営の勉強ができる非常においしい仕事です。普通の管理職では経験できないことが勉強できます。
損益計算書くらい読めなくては店が儲かっているのかどうかわかりません。法令の知識がなければ会社に多大な迷惑をもたらしたりします。店長が遭遇しやすいのは景品ですね。イベントで懸賞をやるときは公正取引委員会に問い合わせて慎重に勧めなければなりません。公正取引委員会はいちいち目を光らせているわけではありません。こうした部分を指摘するのはライバル店です。
私の場合、什器の配置で消防に警告されたことがあります。ライバル店が写真を撮って消防署に送ったのです。また、私は関わっていませんが、懸賞では会社が公正取引委員会からペナルティーを受けました。これもライバルが密告したモノです。その時のペナルティーは、大量の文書を手書きで作らなければならないと言うとんでもないものでした。営業部長が根を上げていました。
もちろん、自分の店を、お客さんに魅力的に見せるためにマーケティングやプロデュースと言った知識も必要です。地域のお客さんのニーズ・ウォンツを把握して、本部にフィードバックするのも当然です。
また、少なくない部下を持つわけですから、人の管理も重要な仕事です。部下の中には不心得者がいる場合もあります。部下を疑いの目で見ることは避けなければなりません。不心得が起きないような環境を作る必要もあります。
普通の管理職だと、備品のことは気にしません。備品の管理は総務の仕事ですからね。店はそうではありません。店のことは、全部店でやらなければならないわけです。
店長だと、地域との付き合いも重要です。テナントだったらオーナーとの付き合いもあるでしょうし、地域のお祭りには協賛したり、参加したりする必要もあるでしょう。こうしたことは全て店長がやらなければならないことです。
クレームがあったら出かけていって、場合によっては土下座しなければなりません。まあ、土下座など慣れればなんてことはありません。でも、中にはやばい業界の人たちもいます。その場合は、脅迫に屈してはいけません。突っぱねる勇気も持たなければなりません。
防犯対策も重要です。万引き犯がナイフを出すなどと言うことはよくあることです。下手をすると従業員の命に関わることもあります。
このように店長は苦労の多い仕事です。しかし、大変だけど、これほど面白い仕事は他にはありません。
もちろん、野心がなければ、社長や本部の言うとおりにやって、単なる店番として過ごすことも可能です。
ただ、せっかくのチャンスを生かさないのはもったいないと思います。だって、これだけの仕事、店長以外にはできないのですから。
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