私は、物を売る仕事を始めてから、明らかに以前とは変わったことがあります。
まず、人見知りをしなくなったと言うこと。まあ、人見知りしていたら売れませんからね。しかし、結果的に、人見知りをしないための技術を学べたことも大きいでしょう。
セールスマン向けの新人研修では、初めて会った人と打ち解ける方法の一つとして、次のような方法が紹介されています。
「笑顔を作りなさい。そして、お客様と目を合わせなさい」
人間、自分に好意を示している人間に対して冷たくできるのはサディストだけで、普通は難しいことです。一流のセールスマンは「好きになってもらいたいなら、まず自分から好きになれ」と言いますが。好意を示されて嫌がる人間は少ないのです。
笑顔を向けられると人間は、自分に好意があると自動的に思ってしまうものです。これはセールスの世界ではよく知られている「スイッチ」です。例えそれが、自分に何かを売りつけようと下心が丸わかりのセールスマンだとしてもです。
当然ですがこの技術、普段の人間関係にも使えるわけです。
たとえば、高嶺の花の女性を口説きたいなら、「好きだ」と言う言葉を最後までとっておくべきではなくて、最初に言うべきなのです。彼女に、どうしてほしいと言う必要はありません。ただ、自分が好きだと言うことだけを伝えれば十分です。あとはじっくりチャンスを待てばいいのです。高嶺の花なら、そのくらい我慢できますよね。
もし、「いつも笑顔でいられるわけない」と思った人は反省してください。プロのセールスマンなら、例え親が死んでも笑顔を作れるように、作り笑顔の練習をしましょう。コツは、口角を上げ、歯を見せることです。鏡を見て練習してください。
作り笑顔でも、やっているうちに本当に気分も楽しくなってくるから不思議です。
実は、私が物を売る仕事をはじめたから変わったことのもう一つが、あまり落ち込まなくなったことです。
学生時分は、失恋すると1週間くらいはドーンと落ち込んでしまって、何も手につきませんでした。でも、仕事を始めてからは、一日接客しているとすっかり立ち直っていることに気づきます。
年を重ねたせいかもしれませんが、私は職業的な背景が大きいと思っています。
学者はどういうかわかりませんが、セールスマンとして人間を見てきて思うことは、人間は心にあることは行動に出るし、逆に、行動が心を動かすということです。だから、作り笑顔でも、笑顔でいることが気分を楽しくさせるのだと思います。
他にも、大きな声を出すことも気分を楽しくさせる効果があるのだと思います。お客様との会話は、大きな声で元気よくが基本ですが、もちろん、これも練習で身に付けるべき技術ですが、これをマスターすると、仕事をしているうちに元気になれるのだと思います。
セールスって本当にいい仕事だと私は思います。
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