店の場合、経費削減はクビを切るしかないです……。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
店の目的は儲けることです。
そんなことはないって言います?
確かに、社会に奉仕すること、従業員の幸福を追求することも立派な目的です。
でもそれもこれも儲けがあるからできるわけで。
産休や育休を取ることができるのも儲けがあって余裕があるからです。
儲けるためには2つの方法があると、昔、会社が主催した「マネージャーのための経営講座」というセミナーで聴きました。
儲けるための2つの方法とは?
一つは売上を上げること。
コレは当たり前ですね。
ただ、このセミナーを担当したコンサルタントはその方面は明るくなかったようです。
「売上を上げるのは難しい」と一言で済ませてしまいました。
「商売人が売上から逃げてどうする!」と今なら言いますけど。当時は私も若くて未熟だったので。
もう一つは経費を節約することです。
売上は同じでも経費が減れば儲けは増えると言うわけです。
彼の強みはこっちの方だったようで。
経費と損益分岐点についての講義を受けた後、自分の店の損益分岐点を出し、「経費を節約して損益分岐点を下げるように」という課題が提示されました。
で、やってみました。
結論から言うと店の経費の9割は家賃と人件費でした。
こういうのは構成比の大きい方をいじる方がカンタンで得るモノも大きいです。
ただ、家賃はそうカンタンに減らせません。
となると減らせるのは人件費だけです。
コピー用紙の裏を使ったり、蛍光灯を間引いたりするより、人一人クビにした方が経費を節約する効果は大きいです。
問題なのは人を減らすことが可能かどうかです。
私の店はこの1年後、「店員が二人なら利益が出る」と経理部門から提案されたことがあります。
社員が二人ではありませんよ。店員が二人と言うことです。
このような提案をされた理由は私の店だけ売上が前年を割っていたためです。
「こいつはバカか?」と思いました。思っただけで口にしないだけの分別はありましたが。
売場面積390坪、当時の月商月1億8千万円の店を二人で運営するって?
誰が荷受けするの? 検品するの? 倉庫にしまうの? 品出しは? 接客は? レジ打ちは? 万引き対策は? 一人休んだらどうするの?
どう考えても不可能です。
私はこの提案を拒否しました。
そして売上を上げると言う、彼らの言う「困難な選択」をしました。
結果――
その年、私の店は開店以来最高の売上を上げることができました。
しかも、前年を上回ったのは19店舗中、私の店ともう一つの2つだけだったのです。
店の場合、経費削減の余地はクビ切りしかないです。
でもクビを切って質を維持できなくなったらさらに売上は落ちます。
小売店が衰退するのはこの無限ループに陥るからです。
私は何度もこの光景を見てきました。
あなたは経費削減という無限ループを断ち切って下さい。
そして売上アップという困難な選択をして下さい。
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