「女子高校生よ、おっさんだってチーズケーキが食べたいのだよ」
売り込みとは、欲しくない人に商品を買わせることではありません。
まして、要らないと言っている人に強引に売りつけることでもありません。
商品を知らない人に商品の存在を伝えるのが売り込みです。
だから、売り込むべき相手を売り手の思い込みで判断してはいけないです。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
私の知り合いの話です。
彼は私の同世代のいい歳をしたおっさんです。
おっさんですが、彼はスイーツが大好きです。
札幌に日帰りで噂のロールケーキを買いに行くくらいの超本格派です。
そんな彼がこんなことで怒っていました。
大手スーパーの地下食品売場にて
大手スーパーの地下食品売場でのこと。
出店したばかりのケーキ屋さんが、オープン記念で、チーズケーキの試食販売を行なっていました。
試食と言っても、爪楊枝の先に小指大のケーキの欠片が付いた程度のモノです。
それを高校生のアルバイトらしき女性が通りすがりの人に勧めていました。
スイーツマニアの彼も当然試食するつもりで、ゆっくり彼女に近づきました。
ところが彼女は、彼をとばして、彼の後ろを歩いていた女性に試食を勧めたのです。
「オレは買っちゃダメなの?」
彼はこのアルバイトに気持ち悪いおっさん扱いされたと憤っていました。二度とあの店では買わないとまで言っていました。
でも、商売に関わるモノとして、その可能性は低いと断言できます。
では、なぜ彼女はこんな行動を取ったのでしょうか?
行動の理由
間違いなく「おっさんはチーズケーキになんか興味がない」と思い込んでいたのでしょう。まさか、おっさんが嬉々として、チーズケーキのかけらを欲しがっているとは、1ナノメートルも思っていなかったのでしょう。
でも、それは完全な間違いだったのです。おっさんだってチーズケーキを試食したかったのでした。
彼女の思い込みのために、そのケーキ屋はヘビーユーザーになるかもしれないお客を一人失ってしまいました。
もちろん、悪いのは彼女ではありません。指導できなかった店長が悪いんです。
商品を買うか買わないか、決めるのはお客様です。私たちが決めることではありません。
お客様が必要とする情報を与える責任は、私たちにあります。
そのためにも、私たちは、ただ、売り込めばいいのです。
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