おはようございます、小宮です。
アップルの会長スティーブ・ジョブズが亡くなりました。
私はジョブズから多くのモノを得ましたが、最後の最後にまた学ぶことがありました。
それは、わかりやすいのと正確なのは違うと言うことです。
テレビ、新聞がジョブズの死を扱い、多くの時間、紙面を割き、ジョブズのサクセスストーリーや業績について解説していました。
しかし、それらを見聞きして「それはちょっと違うんだけど…」と感じることがたくさんありました。
たとえば、ジョブズを「エジソンに続く発明家」と紹介したテレビがありました。
コレが事実と違うことは、少しでもアップルの歴史を知っていればわかります。
アップルの最初のヒット商品アップル?を作ったのは、共同創業者の一人スティーブ・ウォズニアクです。ジョブズがアップル?に貢献したのはパッケージだけでした。
アップルの屋台骨、マッキントッシュを作ったのもジョブズではありません。
ハードウェアを設計したわけでもないし、ソフトウェアをプログラミングしたわけでもありません。
マックのアイデアはゼロックスからパクってきたモノですし、マッキントッシュ・プロジェクト自体、ジェフ・ラスキンから乗っ取ったモノです。
アップルの復活のきっかけになったiPodもジョブズの発明ではありません。
ジョブズは、「欲しいなんて一瞬も考えたことがない商品」を消費者に買わせてしまうマーケティング、プレゼンテーション、セールスの天才ですが、断じて発明家などではないのです。
このような記事を見るたび「もっと正確に伝えろよ!」とテレビや新聞に突っ込んでいました。
でも、ふと思ったのです。
私がこう感じるは、アップルやジョブズについて、私の方が記者の皆さんより知っているからです。
しかし、テレビや新聞を読んでいる人に私のような情報が必要でしょうか?
限られた時間や紙面で情報を伝えるのは難しいことです。それもわかりやすくと考えたら大変です。
ジョブズのことをマーケティングの天才と言っても普通の人には何のこっちゃわかりません。少なくても、マーケティングとは何か?を説明しなければなりません。
でも、余計な説明は焦点をぼかしてしまうのです。
私がよくやらかすことです。余分な情報が多すぎて肝心なことが伝わらないという。
ジョブズの人物像を説明するのにマーケティングを説明するのはどう考えても余分です。
ジョブズ死去のニュースは「すごい人が亡くなったんだよ」と伝えたいのです。だから、「エジソンに続く発明家」と言うわけですね。
ジョブズは知らなくてもエジソンを知らない人はいないでしょう。そして、エジソンの功績を知らない人もいないでしょう。
つまり、「エジソンに続く発明家」と言えばジョブズがすごい人だと多くの人がわかります。
わかりやすくするには正確さを捨てることも必要なんですね。正確であることが相手のためになるとは限らないのです。
となると、説明がわかりにくいセールスマンて、実は親切な人なのかもしれないですね。
コメント
コメント一覧 (2件)
親切すぎて、いろんなことが気になってしまうのかもしれません、そういった人は。
正確なことと考えると、今までどれだけ正確なことを伝えることができたか疑問です。
うまく伝えたことは数多くあるように思いますが。
ある人が面白いことを言っていました。
人に3割伝われば上出来だ、野球で4割バッターは天才なんだからと。
飛躍しすぎだとも思いましたが確かに、人に伝えるということは難しいことです。
ある小売店の店長さん、毎度どうも。
何が伝わればいいか?という絞り込みも必要なのかも知れませんね。