なんだかんだ言って店は人です。店作りとは人作りのことと言っても言い過ぎではありません。
それほど大事な「人」ですが、その肝心な「人」に、あなたはこの仕事の意味を教えているでしょうか?
売場に立つ人間は、その時点で店の看板を背負います。
お客様は、自分が接した店員が店を代表していると、ごく自然に考えます。
その店員が無愛想な対応をしたら、「あの店員の対応はひどい」と思うのではなく、「あの店の対応はひどい」と思うのです。
たった一人の店員の無神経な言動が店をつぶしかねないのです。
店長、先輩、同僚、後輩たちが、今まで地道に積み重ねてきたモノを、一瞬にして破壊してしまうかもしれないです。
お金を掛けたブランディングも、真摯なストアポリシーも、感動的なコアストーリーも、すべて無意味なモノにしてしまいます。
クレームを言ってくれるお客はまだいいです。問題に気づくことができますからね。
しかし、9割のお客はいやな思いをしてもクレームは言わないのです。
と言うことは、自覚のない店員は何度も同じことを繰り返し、しかも、この事実は誰も気づかないわけです。
お客に嫌われた店がどうなるか?なんて想像したくもありません。ただ、気づいたときには取り返しのつかないことになっているものです。
あなたは、売場に立つ人間の責任について日頃から従業員に伝えていますか?
「重い責任があるなんて言ったらみんな辞めちまうよ」
そんなことはありません。
店の従業員の多くはパート・アルバイトですから会社がどうなろうと知ったこっちゃありません。
だから、「重い責任=会社に迷惑がかかる」なんて言い方は止めましょう。正直、私もこんな言い方は嫌いです。
しかし、仲間の足は引っ張りたくないと思うでしょう。
だから、「あなたの無愛想な対応が、あなたの仲間の努力をムダにしてしまうかもしれないのです」と語りかけてください。
そうすれば聞く耳を持ってもらえます。
人間そもそも、自分の仕事に価値があると感じたいモノです。「責任の重い仕事」と知らせるのは決してマイナスではありません。
ぜひ、売場に立つ人間の責任について教えてあげてください。
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