いつか来た道かも…。
おはようございます、パワー店長養成講座の小宮秀一です。
2018年第3四半期のMacBookシリーズの出荷台数が、前年比で大幅に落ちていると、調査会社のTrendForceが発表しました。ただし、これは新MacBook Air発売前のデータだということは割り引いてください。
2017年第3四半期(7月〜9月)と2018年の同期の出荷台数を比較すると、Appleのシェアは24.3%減少しています。出荷台数もAsusに抜かれ、5位に後退しています。
この理由は、MacBook Air待ちの買い控えが大きな要因なのは間違いないでしょう。
それでも、私が気になるのは、MacBookの価格の高さです。あまりにも高すぎると思うのです。
「アップルはブランドだから高い」?
そういう人もいます。しかし、創業者のジョブズはアップルを高級ブランドにしようとしたことはありません。
ジョブズはLisaを製造原価を無視して安く売ろうとして───役員会に「アイツ、アホやろ」と思われたのかはわかりませんが────開発チームを追い出されました。
追い出されたジョブズはMacプロジェクトに携わることになりました。このチームは本社とは別な建物の一室にありました。Lisaは数百人が関わる巨大プロジェクト、こっちは十数人の小さなプロジェクトです。いわゆる窓際というヤツです。
会長を窓際に追いやるなんて、当時のジョブズが如何にイカれていたかわかりますね。
しかし、窓際に追いやられたおかげで、ジョブズはLisaよりはリーズナブルなMacintoshを世に出すことができたのです。ただし、いろいろケチりすぎて、とても実用に向くマシンではなかったのですが。
ジョブズがスカリーとの権力闘争に敗れ、Appleを追い出された後、Appleはブランド志向と言う亡霊に取り憑かれます。なぜなら、Appleには信者とも言うべき、お客様がいるからです。
信者は教祖を勘違いさせるモノと相場が決まっています。
勘違いした教祖Appleは、品質を劣化させ、新商品の投入は遅れ、ついにはOSの自社開発を諦めざるを得なくなってしまいました。そして気づけば、倒産は時間の問題というところまで追い詰められてしまったのです。
もっとも、ジョブズ亡き後のAppleがすべてダメだったわけではありません。PowerBookを生み出し、モトローラのCPUからIBMのCPUへの以降も成功させています。これは人間で言えば脳の移植手術を成功させたということです。この時の経験があったからこそ、IBMのPowerPCからIntelのCPUへの移行も成功できたと言えるでしょう。Appleは才能を引き寄せる魅力を持った企業なのは間違いないです。
ジョブズはAppleを高級ブランドにしようとは考えなかった
ジョブズがAppleを高級ブランドにしようと考えなかったのは確かです。
ジョブズがAppleに復帰した後、最初に発表したのはiMacと言うリーズナブルなパソコンです。コレを企画したのは前任のギル・アメリオですが、もちろん、手柄はすべてジョブズの物になりました。
日本限定で言うと、iMacは当時もっとも安く買えたパソコンでした。見た目の良さもあって大ヒットしました。私もかなり稼がせてもらいました。
以降、Appleの製品は競合よりは高いモノの、決して高すぎるという印象は受けなかったように私は記憶しています。ちなみに、私は隠れApple信者ですが。
ジョブズはリーズナブルであることに価値を置いていたように私は思えるのです。なぜなら、ジョブズは目立ちたがりで、より多くの人の賞賛を受けたいと思っていたからです。そんなジョブズが知る人ぞ知る高級ブランドで満足できるわけがないです。
それに対して、今のAppleはと言うと───やたらに高い値付け、───MacBook Proのキーボードに感じる品質の劣化───などから、「また、いつか来た道に迷い込もうとしている」───私にはそんな風に思えてならないのです。
コメント